この記事では、2023年度吹奏楽コンクールの課題曲について、サックスパートを中心に演奏上の注意点をまとめました。
吹奏楽曲を年間100曲以上、吹奏楽のCDを30枚以上リリースした私が感じた、課題曲の演奏のポイントを公開します。
この記事を読むと、コンクールでより良い賞をとるための、練習のヒントを学ぶことができます。
練習を重ねていくと、同じ内容であっても感じ方が変わってきます。コンクールまでの半年間、ぜひ何度でもお読みください。
【模擬コンクール】あなた達の団体の演奏、審査員の代わりに審査・講評します。
吹奏楽コンクールは、第三者の目線から、あなた達の演奏を評価します。
実際のコンクールの前に、第三者があなた達の演奏をどう評価するのか、知らずに練習をしていると、練習の方向性を間違えてしまう恐れがあります。
そこであなた達の演奏がどのように聴こえているのか、何を意識して練習していけば、より良い賞がとれるのかをアドバイスさせていただきます。
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1.共通の注意点
課題曲を演奏するうえで、注意すべき共通のポイントを解説します。
吹奏楽全般のサックスパートの演奏方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
1-1.どの楽器が主役かを考える
吹奏楽でサックスを吹く場合、次の3パターンの演奏方法があります。
- 他の楽器に溶け合わせる・他の楽器を引き立てる
- サックスが主体となって音楽を作る
- サックスと他の楽器が同等になるように演奏する
課題曲を演奏する場合、ほとんどが①のパターンになります。
どの楽器が自分と同じ動きをしているか、自分の音色が周囲とブレンドしているかは、常に意識しましょう。
1-2.メロディとハモリの考え方
理想は、メロディが1番よく聴こえているが、ハモリの音もきちんと鳴っている状態です。
課題曲では、1stアルトがメロディを、2ndアルト・テナーがそのハモリにまわる箇所が多くあります。
メロディを目立たせるために、ハモリのパートが極端に退いて演奏するのは避けましょう。
全ての音が聴こえていることが重要です。
また、音域によって、鳴りやすいパート・鳴りにくいパートがあるので注意してください。
各楽器の高音域・低音域は鳴りやすく、中音域は鳴りにくいのがサックスの特徴です。
1-3.マーチの演奏法(課題曲Ⅰ・Ⅳ)
マーチは基本的な構成や演奏方法が決まっています。課題曲に限らず、マーチを演奏する場合は、必ず理解しておきましょう。
基本的なマーチは次の構成で書かれています。
- 序奏
- 第1マーチ
- 第2マーチ(低音メロディが多い)
- トリオ(中間部)
- 間奏
- トリオの反復
テンポキープが最重要
マーチは「行進曲」の意味です。実際の行進よりは、コンサート用に書かれた楽曲も多く存在しますが、基本的なルールは同じです。
行進、つまり「歩く」ための音楽なので、テンポは一定にキープします。テンポが一定でないと、歩きにくいですよね。
テンポチェンジの表記がある曲も確かにあります。しかし、指示がない場所は、必ず一定のテンポを保てるように練習しましょう。
「テンポを一定で保つなんて簡単」というのは勘違いで、実はかなり難しい!メトロノームなしで録音してみると分かります。
低音楽器の刻みは歩幅を表す
低音楽器が表拍の刻みを、他のパートで裏拍の刻みを担当します。これは足の上げ下げを意識してください。
表拍の刻みは、裏拍の刻みと比較して長く演奏します。頭拍が8分音符で書かれていても、余韻を使って演奏することが多いです。
トリオの演奏はガラッと変える
特にトリオの演奏は、それまでの演奏とはガラッと変える必要があります。トリオとそれ以外の演奏が同じようだと、聴衆に飽きられてしまいます。
具体的には、トリオは次のように演奏します。
- 柔らかめの発音や音色
- 長いレガート
- 落ち着いた雰囲気(転調をする)
- 低音楽器の刻みは、長く演奏
2023年課題曲のマーチ
今年の課題曲マーチは、2曲とも2拍子であることが特徴です。
2拍子の音楽は、フレーズが短くなりがちで歌いにくいので、注意が必要です。
ちなみに本来、マーチという音楽のジャンルは、2拍子が通常です。しかし、課題曲に関してだけは、4拍子のマーチが主流であったため、珍しい構成となっています。
2.各課題曲の個別の注意点
各課題曲の個別の注意点について、解説していきます。
課題曲Ⅰ.行進曲「煌めきの朝」
マーチではありますが、特にメロディ・対旋律の担当は、拍を見せすぎず、長くフレーズをとって、歌い上げましょう。
拍は見せないように演奏しますが、マーチですので、テンポキープは必須です。
冒頭 大胆な表情変化を
1小節目、2分音符を担当するパートは、2拍目から登場する金管楽器・アルト・テナーサックスに道を譲るため、音を出したらすぐに減衰(デクレッシェンド)します。
逆にメロディの伸ばしは、自然にフレーズを閉じる程度で、過度に減衰しません。
9小節目のpは、音量だけでなく、柔らかい音色に変化させられると、より表情がつきます。そこからffに向けて、音量・音色感を冒頭と同じ雰囲気に持っていきます。
テンションを上げすぎて、15・16小節目のリズムが速くならないように注意しましょう。
また、9小節目からは、小節頭をとる低音楽器と、裏拍から入るメロディのアンサンブルを意識します。
練習番号A・B テーマの演奏方法
練習番号Aから始まるテーマは、サックスの音色が主体となるのが理想です。サックスの響きを助けるためにクラリネットがあるイメージです。
サックスらしい明るい音色で演奏します。ただし、音色が硬くならないように注意しましょう。
特に付点8分音符で、跳ねて演奏せず、長いフレーズで歌うことを意識してください。
これはオブリガードをとる、テナーサックス・ホルン・ユーフォニアムの39小節目の付点8分音符も同様です。
41小節目からアクセントが出てきますので、ここからは跳ねて表現の差をつけましょう。
軽やかなメロディなので、サックス主体とはいえ、あまり息を入れすぎる必要はないです。
ただし、効率よくリードを振動させるのが前提。噛んで演奏してしまうと、リードの振動が妨げられ、少ない息では貧弱な音になってしまうので注意!
練習番号C・D 息のスピード差で表現の差を
練習番号Cはメロディをとる低音楽器も、きざみをとる高音楽器も速いスピードの息で演奏していきます。
タンギングもノイズが入らない程度に、はっきりと行います。
反対に練習番号Dからは、ゆっくりした息で、レガートで演奏します。Dに入った瞬間、ガラッと音楽性を変えて、対比を意識させましょう。
低音楽器の4分音符も、柔らかい音色で、余韻をとるように意識します。
練習番号G・H(トリオ)~ 常に穏やかな歌いまわしで
練習番号Gからのトリオは、クラリネットから始まり、非常に穏やかな雰囲気で始まります。
練習番号Hからは、サックス・フルートとメロディが加わりますが、華やかな雰囲気とせず、穏やかな歌いまわしを維持します。華やかに演奏するのは、トリオの前後です。
時折出てくるスタッカートは、過度に短くしすぎないように。次の音とくっつかない程度に切れば十分です。
「歌う=良いこと」ではありますが、やりすぎは厳禁!あくまで曲調に合った表現で。
スタッカートの語源は「離す」。
スタッカートのついた前後の音とを離したいので、「スタッカートは短く演奏する」という解釈になりました。しかし、過度に音を短くする必要はなく、前後の音と離れていれば、正しいスタッカートです。
このように音楽用語を深く理解すると、演奏の幅が広がります。音楽用語についてより深く学びたい方は、こちらの記事もご覧ください。
テナーサックス・ユーフォニアムが担当するオブリガードは広々と演奏しますが、こちらも過度に歌いすぎないように注意します。
過度な歌いまわしをすると、雰囲気が一気に派手になってしまいます。
練習番号I・J ソロの裏での演奏の注意点
練習番号G・Hでは穏やかな状態で、過度な表現をしないよう我慢してきましたが、ソロパート以外はここでも、セーブしながら演奏します。
メロディは、音が上がった時にクレッシェンド、下がった時にデクレッシェンドをかけたくなるところですが、それもやりすぎないように。
135小節目から低音楽器の下行音階は、少しクレッシェンドをかけると、音楽的に広がりが生まれます。ソロパートと音域差が離れているので、ソロを邪魔することはありません。もちろん過度なクレッシェンドは厳禁です。
練習番号K 掛け合いとバランスを意識して演奏する
練習番号Kの1小節目前から、ffで演奏するパートがメロディ。K1小節目からfで演奏するパートが対旋律です。
メロディが伸びているときに対旋律が動き、対旋律が伸びているときに、メロディが動きます。
2分音符以上の長い音符をとっているときは、動いてるパートを邪魔しないよう、吹いた瞬間に少しデクレッシェンドして、道を譲りましょう。
練習番号L~ バランスに注意
練習番号Lからは、メロディがトランペットだけになり、木管楽器は全体的に伴奏にまわります。
各団体のトランペット奏者の技量に合わせて、他パートの音量を調節する必要があります。
木管楽器のトリル(Tr)を持つパートは、吹きすぎないように。アクセントがつかないように注意しましょう。
演奏に悩んだら…
演奏の方向性に悩んだら、模擬コンクールにお申し込みください。あなた達の団体が抱える問題点をピンポイントで解説、練習方法を紹介します。
課題曲Ⅱ.ポロネーズとアリア~吹奏楽のために~
ポロネーズのようなテンポを持つ曲は、8分音符や3連符の長さをよく研究する必要があります。
このテンポの8分音符や3連符は、技術的には長くも・短くも演奏できます。どの程度の長さが心地よいか、研究してみて下さい。
冒頭
8分音符や3連符をとるパートの音の長さをよく研究してください。長すぎるのも、短すぎるのも曲の雰囲気に合いません。
アドリブのritのかけ具合は、解釈がわかれますが、6小節目1拍目の裏拍からかけるようにしてください。頭拍はテンポ通り入ります。
6小節目の3拍目からインテンポに戻ります。8分休符も8分音符も、前のテンポより速く演奏します。
練習番号A・B レガートにしすぎず、息の押し引きを使う
練習番号Aからのメロディのスラーは、レガートというより音色を固くしすぎないようにする指示だと考えてください。
やりすぎは厳禁ですが、フレーズの中で息を押し引きして、表情をつけていきます。
曲が進むにつれ、この息の押し引きを大きくしていって、徐々に表現を積極的にしていきます。
低音楽器は、3拍目にある音(4分音符も8分音符も)を、次の小節頭拍の音に向かうアウフタクトのように演奏します。
特にサックスは、装飾音符をアクセントで演奏してしまうケースが散見されます。(この場所に限らず)
曲の勢いは大切ですが、優しく演奏できるように配慮しましょう。
練習番号C~F 音符のグルーピングを意識する
グルーピングとは、フレーズを短いグループに分けて考える演奏方法です。
裏拍から表拍に向かう意識を持って演奏すると、音楽の推進力が生まれます。
アウフタクトから、小節頭に向かって演奏した機会は多いかと思います。グルーピングは、そのような演奏方法を曲の随所で行います。
例えば、この曲でのグルーピングの1例を示したものです。(楽譜は全て1stAltoSax)
グルーピングに関しては、こちらの記事でも取り扱っています。課題曲以外でも使える考え方なので、ぜひお読みください。
練習番号G・H
1小節目に4分音符で動いているパートが動きの主体となって、積極的に音楽を前進させてください。
該当するパートは、練習番号Gからは2ndトロンボーン、練習番号Hからはバリトンサックス・バスクラリネットです。
歌いこむことも大切ですが、それによってテンポが停滞しないように注意してください。
練習番号I
各ソロの歌い方に応じて、テンポも微妙に伸び縮みします。
練習番号Iからのバリトンサックスはユーフォニアムと、3小節目の2ndアルトはクラリネットとそれぞれアンサンブルを意識してください
練習番号K~
クライマックスに向けて、テンションが上がっていきますが、決して音色が硬くなりすぎないように。
特にアクセントの演奏に注意が必要です。アクセントのない場所と演奏法を変える必要はありますが、やりすぎは厳禁です。
基本的には柔らかいサウンドの中で、演奏していきます。
練習番号Mからの低音楽器は、バスドラムの音の形を真似して、余韻をとって演奏してください。
演奏に悩んだら…
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課題曲Ⅲ.レトロ
曲全体を通して、ポップスの奏法に準ずる必要があります。クラシックを多く演奏している方に、多く見られる傾向は次の通りです。
- ・長い音が自然に減衰してしまう
- ・音に余韻が残ってしまう
これらに注意して、曲にあった奏法を意識しましょう。
冒頭
付点2分音符以上の長さの音符は、張ったまま演奏します。クラシックだと長い音は減衰してしまいがちなので、意識しないと難しいかもしれません。
低音楽器の刻みは、アクセントがあるかのように、はっきり発音していきます。
8小節目は、4/4拍子で書かれてはいますが、下記の音符が頭拍であるような、変則の3拍子だと思って演奏してください。
低音楽器が、2拍目裏をはっきり、頭拍のように演奏するのがコツです。
練習番号A~C
木管のメロディの音色は、サックス主体ではありますが、各セクションそれぞれが、しっかり音を鳴らすイメージで演奏してください。
クラシックのように音色をブレンドさせて演奏する、というより各セクションそれぞれの音がしっかり聴こえる中で、サックス中心のサウンドが聞こえる状態を目指しましょう。
装飾音符やその次の音がアクセントにならないよう、細心の注意をはらってください。
特にサックスは、装飾音符をアクセントで演奏してしまいがちな傾向があります。
ポップス調の曲だからと言って、雑な演奏にならないように!
ダウン(21小節目など)は、楽譜の音をしっかり伸ばしたことを確認してから行ってください。すぐにダウンに入ることがないように。
30小節目、サックスセクションの3連符は、音が下降していきますが、デクレッシェンドにならないよう、注意してください。
練習番号D・E
ここからガラッと雰囲気を変えて演奏します。柔らかいサウンドで演奏していきます。練習番号Gに入るまで、決して力むことがなく、良い感じの倦怠感が出せるのが理想です。
長い音符は、音の立ち上がりをほんの少しだけ息で押すと、雰囲気が出ます。(スラーで書かれている箇所は、楽譜の指示通りタンギングはしません。)
練習番号Eからの刻みは、リズムを魅せる役割が強いので、音が鳴ったら、すぐ脱力して減衰させます。
練習番号F(1st Alto solo)
ソロを含め、メロディはスラーが書かれていますが、クラシックのように、レガートで演奏するという意味は薄いです。
長い音符は発音したら、すこし脱力し、減衰していくイメージをもって演奏してください。
3連符は少し粘り気味、テヌートがついているつもりで歌うと表情が出ます。
ただし、あくまでスラーの中ではあるので、減衰させすぎて、フレーズが切れてしまっては台無しです。
裏の低音楽器は、コントラバスのピッチカートを意識します。4分音符の前の音は全てアウフタクトで演奏します。
51小節目からのメロディにある、8分・付点8分はほんのわずかに跳ねると、少し活き活きした歌い方となり、ソロとの対比がより際立ちます。
最後のダウンは脱力して、坂から滑り落ちるように、自然にデクレッシェンドをかけます。
練習番号G・H
ここからは急に明るい音色で、まっすぐ減衰しないように吹き込んでいきます。
短い音符を息で切らず、舌だけで音を切れるようにしましょう。
前と同じく、ダウン(65小節目)は、楽譜の音をしっかり伸ばしたことを確認してから行います。
練習番号Hは全体的に音を固めの発音で演奏します。アクセントを少しつけて演奏するくらいで、ちょうどよいです。
練習番号I~
メロディはサックス主体の音色で。ただし前と同じく、サックスセクションに溶け合わすのではなく、クラリネットセクションもしっかり鳴らしてください。
長い音符は減衰しすぎず、かといって張りすぎず、魅力的な歌になるよう、研究してください。
フレーズの終わりは、軽く舌をついて止め、クラシックのような余韻が作られないようにしましょう。
練習番号Kからはレガートの音楽へ。95小節目の付点のリズムに軽くアクセントつけて、前の雰囲気に戻すように演奏します。
112・113小節目は、スラーの頭のタンギングをアクセントのようにはっきりと。全て頭拍のように演奏して、あえて4/4拍子に聴こえないように演奏してください。
練習番号N~
大きく次の3パートに分かれます。
- メロディ
- 「bring out」と書かれたパート
- ダイナミクスがfのパート(ほかのパートはff)
③のfのパートはハーモニー重視で、音量は他の2パートを聴きながら、楽に演奏してください。
②のbring outの中はレガートで演奏しますが、①のメロディは硬めの音色で演奏するようにして、対比を出してください。
130小節目の8分音符の音型は、アクセントが書かれています。曲全体を通してポップス調で、クラシックと比較して、はっきり発音してきましたが、ここはさらに強く。アクセントがわかるように演奏します。
最後のダウンも、楽譜の音を伸ばしてから。ムキになって吹かず、脱力・減衰して終わってください。
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課題曲Ⅳ.マーチ「ペガサスの夢」
6/8の拍子で愚直に演奏しきるように。油断すると2/4のようなリズムに寄ってしまいます。
練習番号A・B
メロディーも伴奏も6/8拍子を意識して、表拍で軽く跳ねるような演奏を心がけてみましょう。跳ねるという表現方法は、この曲が持つ楽しげな雰囲気を出すのにも有効です。
メロディの11小節目と15小節目のそれぞれ1拍目は、テヌートを入れて演奏すると効果的です。(倚音のため)
対象的に、練習番号Bから入るテナーサックス・ユーフォニアム・トロンボーンのオブリガードは幅広く、レガートで演奏します。
練習番号C1小節前、低音楽器の2連符は1+3で考えます。最初の音はメロディ最後のコードの音、その後の3つの音はアウフタクトで取ります。
練習番号C・D
4小節ごとに、ガラッと雰囲気を変えます。前半は前の音楽を引き継いだ楽しい雰囲気、後半はレガートの音楽です。
演奏の雰囲気を変えるポイントは、息づかいです。
前半はスラーの切れ目ごとに、息で軽く押して、跳ねるような表現で演奏します。
一方で後半は、息を流し続けて演奏します。特にメロディは2小節ごとに、軽くクレッシェンド・デクレッシェンドを入れます。
低音楽器、F1小節前のクレッシェンドは少し積極的に。トリオにつないでいきます。
練習番号E~H(trio)
トリオに入ると、思い切りレガートをかけて、暗めの落ち着いた音色で、厳かに演奏します。低音楽器の刻みは柔らかい音色で、余韻をとるように。
ここからトリオの出口である練習番号Iに向かって、徐々に雰囲気を戻していきます。
練習番号Fは、練習番号Eと同様に、厳かに演奏します。サックス・フルートが入る分、少し明るさが出てきます。
練習番号Gからは、低音楽器とホルンの8分音符のきざみで、躍動感を出すことで、徐々にトリオ前の雰囲気に戻していきます。
低音楽器につられ、メロディも6/8拍子を少しだけ出す(少しだけ拍ごとに息で押す)ように演奏します。
練習番号Hは、Gと同じ構成ですが、より6/8拍子感を出して、トリオを抜けます。
練習番号I
練習番号Iのffは、曲中の最大音量の場面となります。はっきり発音しつつ、長いフレーズでの演奏を心がけます。
これまで演奏した6/8拍子を出す(拍ごとに息で押す)と、どうしても押した後、音が減衰してしまうため、ffの雰囲気が出ないためです。
練習番号Gからは、最後まで6/8拍子感を出した演奏に戻します。練習番号Kで、mfまで音量を落とし、音色も柔らかくしますが、6/8の雰囲気は崩さず演奏します。
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