リズム

楽譜のリズムの取り方を学ぶたった1つの練習法〜吹奏楽・サックス奏者のための

「リズムを読むのが苦手」「楽譜に書かれたリズムがわからない」

こんな悩みや相談は、サックスや吹奏楽のレッスンに伺うと多く聞こえます。

私のリズム感が劇的に向上した、たった1つの練習法を皆様にもご紹介していきます。

この記事を読んでほしい方
  • リズムを読むのが苦手・楽譜のリズムがわからない。
  • 効果的なリズム練習の方法が知りたい。

私、バージェスが考える、リズム力を向上させる方法はこちらです。

結論

3連符・16分音符の裏拍の位置を記憶する(身体に叩き込む)

裏拍の位置を記憶するための、具体的な練習方法も解説していきます。

リズムが読めるようになれば、楽譜を読むスピードが劇的に上がります。

また、リズムは苦手な人が多いので、演奏に差が出ます。

私が知っている中でも、最も効果が高い練習方法の1つで、自信を持ってオススメできますので、ぜひ最後までお読みください。

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1.裏拍の位置を覚える

皆さんのリズムを惑わすのは「裏拍」です。

このような楽譜なら、リズムで悩むことはないと思います。

表拍 例

ほとんどの曲で、楽譜に合わせて、表拍で手拍子や足踏みをすることは難しくないです。

表拍と同じレベルで、裏拍の場所も把握できていたら、リズムに悩まされることは圧倒的に少なくなります。

頻出する裏拍は、次の5つ。1拍を3で割る(3連符)か、4で割る(16分音符)の場所です。

裏拍パターン

4で割った場所が理解できれば、当然1拍を2で割った裏拍(8分音符)も理解できます。(上記④と同じ位置)

多くの楽譜の場合、表拍か、これらの裏拍のどこかに音があるはずなので、上記①~⑤の裏拍を把握することで、リズムを正確に読めるようになります。

裏拍を制すれば、リズムを制する。

応用

6/8拍子の曲などで、1拍を6で割るようなリズムも登場します。

この場合も、1拍を3で割ったものと、2で割ったものの組み合わせで、読むことができますので、やはり上記①~⑤の裏拍を把握することで対応できます。

楽譜によって、分割の考え方を変えます。

A.まず1拍を頭の中で、3つに分割。3つに分割したものから、更に2つに分割するパターン

6拍子 例1

上記譜例の16分音符は、2拍目を3分割したうちの2つ目を、更に2分割して考えます。

B.まず1拍を頭の中で、2つに分割。2つに分割したものから、更に3つに分割するパターン

6連符 例

上記譜例の6連符最初の休符で、「レ」の音をイメージします。

すると6連符の前半3つと後半3つの音の形が同じになるので、まず1拍を2つに分割して考えやすいです。

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2.裏拍の位置を記憶するための具体的な練習方法

私が具体的に取り組んだ、練習方法をお伝えします。

実際にやってみよう

自分ができるテンポからで良いので、次の7つの譜例を、メトロノームをつけながら、練習してみてください。

最初は正確なリズムを覚えるため、①〜④は16分音符で、⑤〜⑦は3連符で細かくメトロノームを鳴らし、慣れたら1拍に1つで鳴らすようにしましょう。

音階は一例です。リズムが同じなら、やりやすい音階で読み替えてもOKです。

1種類でなく、数多くの種類の音階で同じパターンで練習するとさらに効果的です。

演奏例を入れていますが、全てアルトサックス(E♭管)で演奏をしています。

リズム練習 ①基本形(16分音符)
リズム練習 ②16分休符ずれ
リズム練習 ③8分休符ズレ
リズム練習 ④符点8分休符ズレ
リズム練習 ⑤3連符
リズム練習 ⑥3連符1つズレ
リズム練習 ⑦3連符2つズレ
練習するときの注意点

この練習は、演奏前のブレスを必ず統一してください。これで効果が倍増します。

  • ①・②・⑤・⑥→ブレスは1拍前にとります。②・⑥のように最初に休符があるパターンでは、休符の間は息を止め、音の入りに備えます。
  • ③・④・⑦→ブレスは小節頭の休符の間にとります。

ブレスを統一することで、休符の長さ(間)を意識することができ、身体で記憶することができます。

実はこの練習、音階練習としても超優秀です。

①や⑤の基本形で音階が吹ける人でも、他のパターンは難しく感じるはずです。

私たちは無意識に頭拍の音に重心を置いていて、その重心の音が入れ替わると、途端に吹きにくくなるからです。

この練習をマスターすると、通常の音階がすごく簡単に感じられ、音階の質が向上します。

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3.注意点

次の譜例の1小節目と2小節目のリズムが、近くなってしまうため注意が必要です。

3連符と16分音符の注意点1
3連符と16分音符の注意点2

特に、2小節目の符点(符点8分音符+16分音符)と逆符点(16分音符+符点8分音符)のパターンは、1小節目の3連符のリズムになってしまいがちです。

このようなリズムパターンが出てきたときには、より注意を払うようにしましょう。

16分音符を短く取るのがポイントです。

2.で解説した練習をしていくと、裏拍の正しい場所を記憶することができます。

裏拍を正しく記憶できると、記憶した裏拍の場所に音がいないとき、違和感を感じます。

しかし、符点や逆符点のリズムが3連符になってしまったとしても、この違和感は働きません。

楽譜に書かれたリズムとは違っていても、記憶した3連符の裏拍からはズレていないため、間違えに気が付きにくいのです。

符点・逆符点のリズムは、3連符にならないよう、特に注意する。

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4.奇数連符

楽曲のほとんどは、今まで見てきた1拍を3つ or 4つ(or 6つ)に分けたうちのどこかに、音が置かれています。

しかし、それに当てはまらないのが奇数連符です。

具体的には、5連符・7連符などです。(9連符は、1拍を3つに分けたものを更に3つに分けるので、今までの応用です。)

ベタではありますが、奇数と同じ文字数(5連符なら5文字、7連符なら7文字)の言葉を当てはめてしまうのが簡単です。

決めた言葉を頭の中で唱えながら、演奏します。

バージェス

奇数連符は、登場頻度も少ないので、裏拍を記憶しないで頭で唱えながら吹くので十分。

ちなみに私は、5連符は「いけぶくろ」、7連符は「たかだのばば」を採用している。(関東以外の人ゴメンなさい…)

5連符 例

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5.実践練習

リズム力を向上させるために、日々取り組むべきことを紹介します。

5-1.最初から音源を聴かない

自分が教えている生徒さんでもやりがちです。

「楽譜が配られたら、その音源(録音や動画)を探して、すぐに演奏を聴く」

リズムが苦手な人は、楽譜を耳で覚えてしまいがちです。

耳で覚えたリズムは、なんとなく覚えているだけで、きちんと楽譜を読めていることにはなりません。

まずは音源を聴く前に、自分で演奏をしてみる。

リズムが分からなければ、メトロノームを楽譜に書かれた、最小の単位で鳴らして、数を数えましょう。

次の譜例の場合、1番短い音が16分音符なので、16分音符単位で、細かくメトロノームを鳴らして練習します。

リズム練習例

最初は大変ですし、時間がかかります。

しかし、裏拍の位置を記憶して、楽譜が「読める」ようになると、どんどん楽譜が早く読めるようになります。

良い音源は、何度か自分で演奏をしてみた後でしたら、積極的に聴くことをオススメします。

リズムだけでなく、音楽表現などでも勉強になることが多いです。

自分で演奏しないで、音源から入ってしまうと、ただの音源のマネになってしまいがちです。

5-2.数をこなす

やはり数をこなすことは、非常に重要です。

自分が持っている練習曲などで、使っていないページの楽譜や、他のパートの楽譜など、身の回りにある演奏したことのない楽譜も演奏してみましょう。

IMSLPというサイトもオススメです。

著作権の切れた楽譜が、無料でダウンロードできます。

日本語では検索できないので、ご注意ください。

リズムはパターンがありますので、曲に触れれば触れるほど、見たことのあるリズムパターンが増えていきます。

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まとめ

リズムに関する要点は、次の通りです。

今回の要点
  • 裏拍の位置を覚える
  • 3連符と符点のリズムの違いに注意
  • 奇数連符は、同じ文字数の言葉を入れる
  • 音源を聴く前に、まずは自分でリズムを読む

今回紹介した練習メニューは、決して楽なものではありません。

しかし、楽譜が配られるたびにリズムで悩むよりは、1度腰を据えて、裏拍の位置を覚えてしまった方が、後々で確実に楽になると言えます。

また、今回の練習方法に取り組み、身につけば、リズムがきちんと取れていない演奏はすぐに分かるようになるので、後輩への指導などにも役立ちます。ぜひ取り組んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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