サックスの音階・スケール練習には、誰もが行う、決まった練習方法があります。
今回はその練習方法の仕組みと、実際の楽譜を掲載します。
また、音階の暗譜の仕方についても、解説します。
1.サックスのスケール練習の取り組み方
サックスのスケールは、以下のとおり練習します。
- 主音(調の最初の音)で、サックスで出せる1番低い音域からスタートする。
- 調の音のうち、サックスで出せる、1番高い音まで上行する。
- 調の音のうち、サックスで出せる、1番低い音まで下行する。
- 最初に吹いた音に戻る。
練習ルールを、上の譜例に当てはまると、次のようになります。
- ハ長調=ドから始まる音階。サックスで出せる1番低い「ド」の音からスタート。
- サックスの最高音は、「ファ#」だが、ハ長調はファに#がつかないので、その下の「ファ♮」で演奏。
- サックスの最低音は、「シ♭」だが、ハ長調はシに♭がつかないので、「シ♮」で演奏。
- 最初の「ド」に戻る
また、これから掲載する楽譜は、暗譜で演奏できるまで練習をすべきです。
音階・スケール練習の暗譜の重要性は、こちらの記事でも解説していますので、ぜひこちらもお読みください。
>【意味ある?】サックスの音階・スケール~練習の意味と選ぶべき教本
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2.練習メニュー
サックスで練習すべき、具体的な音階・スケールの表はこちらです。
練習課題には、3通りの調性が記載されています。
【 ①C譜 / ②E♭譜 / ③B♭譜 】
2-1.長調
長調のスケール練習課題は、以下の通りです。
2-2.短調
短調は、「自然短音階」「和声短音階」「旋律短音階」の3種類があります。
自然短音階
自然短音階とは、長調の音階を、短3度(半音5つ分)下げた音階のこと。
例えば、ハ長調の音階を、短3度下げると、イ短調の自然短音階になります。
多くは使われないことから、多くのスケール練習のエチュードでも、自然単音階の課題は扱っていません。
和声短音階
自然短音階の7つ目の音を、半音上げた音階
音階の7つ目の音は、導音(どうおん)と言います。
導音は、主音に向かう性質が強いことから、半音上げて、より主音に近い音程となります。
和声短音階が、短調の中で1番多く使われます。
和声短音階のスケール練習課題は、以下の通りです。
旋律的短音階
上行形は、和声短音階の6つ目の音を半音上げる
下行形は、自然短音階と同じ
和声短音階を作るにあたり、導音を半音上げてしまうと、音階の6つ目の音と導音の間の音が、増2度(半音4つ分)開いてしまいます。
音域の幅が広い増2度は、繋がりが悪いので、音階の6個目の音も半音上げることで、導音に近づけました。
このことで、音階の5〜6個目の間も、6〜7個目(導音)の間も、全て長2度(半音3つ分)の距離となります。
一方、導音は主音に向かうために半音上げたので、下行形の場合、導音の次の音は主音でないため、半音上げる必要がありません。
旋律短音階の練習メニューは、以下の通りです。
和声短音階ができるようになったら、取り組んでみてください。
2-3.頭拍をずらす練習
今まで提示した練習メニューを、次のリズムパターンに変更して練習します。
この練習の難易度は高いですが、全てのリズムパターンで24調できるようになると、演奏のクオリティが劇的に上がります。
裏拍の位置を正確に記憶できるようになるためです。
正確な裏拍の位置は、正確なリズムに、正確なリズムは演奏のクオリティに直結します。
私自身、この練習に取り組んでから、演奏の質が大きく向上しました。
数ある練習メニューの中でも、強くオススメしたいものの1つ。
具体的なメリットは、こちらの記事で解説していますので、ぜひお読みください。
>楽譜のリズムの取り方を学ぶたった1つの練習法~吹奏楽・サックス奏者のための
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