サックス奏法

サックスの汚いタンギングからの脱却~ハーフ・スラップ

サックスできれいなタンギングをするためには、次の2点が重要です。

結論

吹奏楽・クラシック奏者でも「ハーフタンギング」を習得する。

「スラップタンギング」にならないように、注意する。

「ハーフタンギング」は、一般的にはポップスで使用する特別な奏法です。

しかし、吹奏楽・クラシックを演奏する方も含め、誰もが習得すべき技術です。

また、普通のタンギングをしてノイズが入ってしまう方は、実は「スラップタンギング」になっている、というケースが多いです。

スラップタンギングの仕組みを知ることで、意図せずスラップになってしまうことを避けることができます。

今回は「ハーフタンギング」「スラップタンギング」について、詳しく解説していきます。

また、サックスのタンギング全般に関しては、こちらの記事に詳しくまとめています。

>サックスのタンギングを全解説~基礎と練習法、特殊なタンギングまで

この記事を読んでほしい方
  • タンギングがキツくなってしまう・きれいにできない。
  • ハーフタンギング・スラップタンギングの演奏方法が知りたい。
  • 今まで読んだ解説では、ハーフタンギング・スラップタンギングがうまくできなかった。

実際、私自身も今ではハーフタンギングを全く使わず、1曲を吹き切ることはほとんどありません。

また、意図せずスラップタンギングになってしまい、悩む時期がありました。

今回は一般的に説明されている方法論だけでなく、自分がこれら特殊なタンギングを習得するにあたって発見したコツも解説していきます。

私自身も一般的な説明だけでは、なかなか習得できなかったため、この記事を読んでいただくことで、皆様が様々な種類のタンギングを操れるようになってもらえたら嬉しいです。

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1.ハーフタンギング

1-1.ハーフタンギングとは・演奏方法

ハーフタンギングとは、リードと舌が触れた状態で音を出す演奏法です。

舌をリードにつけ過ぎてしまうと、リードの振動が全て止まってしまうため、音が鳴りません。

そのため、極めて軽く、舌とリードが触れた状態となります。

実際にはこのような音が鳴ります。(通常の奏法→ハーフタンギングを交互に演奏しています。)

ハーフタンギングをするときは、息の圧力を抑えない

ハーフタンギングは、ミュートされたような音になるので、息の量をセーブしてしまう方がいますが、これは間違えです。

舌でリードの振動を止めている分、より多くの息が必要になります。

1-2.ハーフタンギングの使用局面

ハーフタンギングを利用する局面はかなり多いです。

「特殊なタンギング」と聞くと、ある特別な、限られた箇所でしか使用しないイメージがあると思います。

例えばダブルタンギングは、通常のタンギングでは間に合わない速いタンギングが必要な、特別な箇所でしか原則使いません。

ハーフタンギングは、様々な場面で活用できます。具体例を見てみましょう。

1-2①.レガート(滑らかに)演奏するが、スラーがかかっていない(=タンギングが必要)な楽譜

指揮者

ここは弦楽器をイメージして、演奏するように。

吹奏楽などをやっていると、このような指示をされた経験があると思います。

弦楽器の弓の返し(ボウイングと言います)は、管楽器のタンギングのようにはっきりと音が切ることは多くはありません。

また、歌うようなメロディであっても、楽譜にスラーが書かれていなく、タンギングが要求されることがあります。

これらの場合、通常のタンギングで音を切ってしまうと、どうしても音が切れ過ぎて、滑らかに繋がらなくなってしまいます。

1-2②.大きな跳躍

スラーのかかった大きな跳躍(音と音の高さの距離)がある楽譜でも、ハーフタンギングは有効です。

特に次の楽譜のように、オクターブキーを押す音から、オクターブキーを押さない音に滑らかに移るのは、難しいです。後ろの音の出だしが汚くなってしまいがちです。

ハーフタンギング実践例

このような楽譜は、バリトンサックスで、ベースラインを担当する場合などでよく出できます。

このような楽譜をハーフタンギングで演奏すると、音と音のつなぎ目がクリアに聴こえているけど、音が切れているように聴こえません。

後ろの音の出だしが汚くならないので、よりスラーに聴こえるようになります。

バージェス

私も吹奏楽やカルテットで、バリトンサックスを演奏する機会もあるので、ハーフタンギングは本当によく活用しています。

1-2③.バロック音楽

ハーフタンギングを有効に使えるジャンルとして、バロック音楽があります。

バロック音楽とは、17世紀初頭〜18世紀半ばまでの西洋の音楽様式のこと。

いわゆる私たちが一般的に「クラシック」と呼ぶ音楽のうち、最も古い時代の音楽

代表的な作曲者はバッハ・ヘンデル・ヴィヴァルディなど

まだこの時代は、スラーという概念がありません。

※バロック音楽でもスラーがついている楽譜があるのは、編曲者や出版社の方が解釈してつけたものになります。

これを全てハーフタンギングで演奏すると、演奏の雰囲気が格段に良くなります。

1-3.ハーフタンギングを練習する最大のメリット

通常のタンギングは、ハーフタンギングよりほんの少しだけ、舌をリードに触れさせれば十分です。

ハーフタンギングした状態で音を出すには、リードへの舌の繊細なつき加減が必要になります。

舌をリードにつかなければハーフタンギングになりませんし、舌をつき過ぎてしまうと音が鳴らなくなってしまうからです。

通常のタンギングで汚くなってしまうと悩む方の多くが、舌をリードにつき過ぎていることが原因であることが多いです。

練習方法

ハーフタンギングをしながら、リードにほんの少しずつ舌をつける力を強めていく。

音が出なくなった瞬間が、適切なタンギングの舌づかいです。

ハーフタンギングにならない、ギリギリのつき加減=通常のタンギング

1-4.ハーフタンギングの実践例

最後にハーフタンギングを使用したときの演奏を紹介します。

バロック音楽の巨匠、バッハの「目覚めよと呼ぶ声あり」です。

この演奏全般で、音と音の間をハーフタンギングで演奏しています。皆さんのイメージの手助けとなれば嬉しいです。

(イヤホン推奨)

参考までに、同じ曲の冒頭を通常のタンギングで演奏すると、このようになります。

スラーで演奏するとこうなります。

2.スラップタンギング

スラップ(Slap)とは「叩く」という意味です。

破裂音のような音で、現代音楽では多用されますが、楽譜に指示がない限り、使用しません。

タンギングをしたときに、ノイズが入ってしまう人の多くは、「スラップタンギングになってしまっている」状態です。

2-1.スラップタンギングの仕組みを理解する

スラップタンギングができるようになると、どうするとスラップになり、どうするとスラップならないのかが、理解できるようになります。

スラップタンギングのやり方は、以下の通りです。

  1. 舌をリードに密着させる(舌はリードと下唇の間に入るくらい・それ以外のアンブシュアは通常通り)
  2. 舌をリードから思い切り離す

①で、舌とリードを密着させることで、リードと舌の間に真空状態(=空間に何もない状態)を作り出します。

真空状態が作れると、舌をリードから離した瞬間に、リードが舌と同じ方向につられて動きます。

リードが元の形に戻ろうとしたとき、マウスピースを叩き(Slap)、音が出る仕組みです。

習得のコツ
  • 低音域から練習する
  • 舌の動かし方を色々試してみる(真下・前方・後方など)

可能であれば大きなサックスで練習すると、スラップタンギングがやりやすいため、感覚がつかみやすいです。

特にバリトンサックスは、かなりスラップタンギングがやりやすいです。

スラップタンギングは、通常のタンギングとはかけ離れた奏法です。

通常の奏法が崩れる危険性があるため、長時間の練習はオススメはしません。

2-2.スラップタンギングの危険性

通常のタンギングとは、舌とリードのつき方が全く異なります。

  • 通常のタンギング…舌とリードが「点と点」で接する
  • スラップタンギング…舌とリードが「面と面」で接する

タンギングをすると、リードのノイズが入ってしまう方は、リードと舌が触れるポイントが大きくなり、わずかにスラップタンギングとなってしまっていることが多いです。

スラップタンギングを避けるには、リードと舌が触れるポイントを限りなく小さくする。

リードの先端、1点を目指して舌をつきましょう。

通常のタンギングで、少しでもこの「面」で触れる要素があると、スラップタンギングのような音が混じってしまい、ノイズとなってしまいます。

先ほど「バリトンサックスは特にスラップタンギングがやりやすい」と解説しました。

しかし、裏を返せば「バリトンサックスは、タンギングでノイズが入りやすい」とも言えます。

まとめ

今回は通常のタンギングをきれいにするための技法、「ハーフタンギング」と「スラップタンギング」について解説しました。

今回の要点
  • ハーフタンギングは、舌がリードに軽く触れた状態で音を出す奏法。息は多めに入れる。
  • ハーフタンギングは、特殊なタンギングではあるが、使用頻度やメリットが多いので、習得すべき。
  • スラップタンギングは、ノイズの原因となりがちなので、仕組みを理解して、スラップにならないことが大切。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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