書籍紹介

本番を成功させるための考え方と練習術~「前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術」

  • 本番で上手く演奏するために有効な練習方法を知りたい
  • 本番での緊張対策を知りたい

この記事では、「前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術」という書籍を紹介します。

実は、メンタル強化の方法に、明確な正解はありません。なぜなら、人によって性格や考え方が異なるからです。

それを踏まえ本書では、数多くのメンタル強化術を紹介しています。

この記事では、書籍 「前向きに考える~演奏者のためのメンタル強化術」 から、特に参考になった箇所を、私自身が実践した感想や、本書以外での学びを交えて解説していきます。

この記事を読んで、実践していくだけで、練習の効率を上げるためのヒントが得られます。

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1.本書の特徴

本書は音楽家の高校・大学の体育講師が、練習・本番時のメンタルコントロールや日々の練習法について書いた本です。

スポーツからメンタルのアプローチや、音楽家を目指す学生の実例もふんだんに交えて、解説されています。

人によって考え方が合う部分・合わない部分があると思いますが、様々な手法を知っておくことで、自分に合った考え方を見つけることができます。

そのため、数多くの考え方のバリエーションが紹介されています。

2.本書で特に役に立った内容と私自身が実践した結果を紹介

私が本書を読んで、特に役に立ったと感じた5つの項目を、私自身の体験談を交えて紹介していきます。

①本番で力を発揮するための練習方法

本番で力を発揮するための練習方法を、本書で紹介されてる方法を中心に、本書以外の解説や私の実体験を交えて紹介します。

間違えても演奏を止めない

ある程度演奏できるようになってきたら、練習中に演奏を間違えたときにも、止まらずに演奏し続けることが、より実践的です。これには主に3つの理由があります。

  1. 通し練習でミスしたときの身体の感覚を覚える
  2. いざ本番でミスしたときに、リカバリーできるようになる
  3. ミスを無視して先に進むことで、ミスへの過剰反応を防ぐ

第1に、ミスをしたときの感覚を知ることです。知ることが改善の第1歩です。

力んでいたのか、臨時記号が多く音を読めなかったのか、ミスの原因は様々です。

ミスをしたから止まるのではなく、そのミスをした時の感覚を覚えておくことが大事で、その感覚がわかれば、次に弾く時に修正する課題が見えてきます。(中略)

大事なことは、ミスした時の「身体の感覚はどうだったか」ということです。「身体がこうなった時にミスをする」ということがわかれば、そうならないように身体を動かす練習をするのが正しい方法

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第1章

ちなみに曲を通しで練習するなど、長い距離で練習するほど、ミスは生じやすいので、感覚を覚える機会が増えます。

第2に、ミスの都度、演奏を止めることに慣れてしまうと、いざ本番でミスしたときに対応できません。

本番では演奏を止められませんが、普段から間違えるたびに演奏を止めていると、反射的に演奏を止めようとしてしまいます。

すると演奏に復帰するまでに、より多くの時間がかかってしまうどころか、最悪の場合、どこを演奏しているか分からなくなる(落ちる)危険性まであります。

第3に、ミスをしないよう練習することは大切ですが、「ミスを無視する練習」を行うことが、科学的に正しいと実証されました。

本番の失敗原因の1つに、ミスへの過剰反応があるからです。ミスをすると、そのミスを取り戻そうとして普段のペースが乱れる、という負の連鎖が起こります。

科学的な研究に関する詳しい解説は、こちらの動画をご覧ください。

バージェス

これらの考えに加え、私自身は、ミスした技術的な要因を特定することも大切だと考えます。

例えば、サックスで音を外したとき、息やアンブシュアに注目しがちですが、特定の指の動きが遅いケースがあります。原因が指だと特定できれば、ミスを防ぎやすいです。

本番で想定外を作らない

本番の準備は、徹底的に行います。

実際に間違えていない場所であっても、100%の確信をもって演奏できていない箇所は、練習でつぶしていきます。

本番の演奏での言い訳を一つ一つ消していくのが、準備するということになります。それは、本番で起こることすべてを想定して、それに対応できるように準備するということです(中略)

本番での演奏で想定外のことが起こったというのは、単に予想が甘いだけなので注意してください。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章
バージェス

私自身は1つの目安として、10回連続で成功できれば「できた」ということにしています。

間違えたら1からやり直しなので、8~9回目などは、本番さながらの緊張感も味わえます。

練習は積み重ね

当たり前ですが、一朝一夕で楽器は上達しません。練習を「継続」することで、上達につながります。

それは分かっていても、本番直前に普段の数倍の練習時間をとるなど、無理をしていませんか?

本番前の猛練習で、何とかしようとするのは、一朝一夕で上達しようとするのと同じではないでしょうか?

また、一時期の集中的な練習で疲弊して、練習の継続ができなくなってしまっては、元も子もありません。

今日楽器を弾くことができている技術は、昨日行った練習の成果ではありません。1カ月前、2カ月前にやった練習の成果で今日弾くことができているのです。それを頭に入れておかないと、前日に弾けば明日何とかなると思い違いをしてしまいます。

最善の準備をして本番に臨むというのは、前日までめいっぱい練習することではありません。猛練習は、本番の1週間前までで終わっていなくてはならないのです。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第1章
バージェス

本書を読む前は、本番から逆算して練習メニューを組んでいました。

1週間前までに終わらせるつもりでいると、大分余裕ができました。

音楽も日々の努力の積み重ねしかないのですから、日々努力できるように、いつでも心と身体をよい状態に保たなくてはなりません。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

練習は積み重ねることが前提なので、無理は禁物です。心も身体も良い状態で、「継続する」ことを意識しましょう。

自己表現すること

他人にどう思われるかを考えずに、自分がイメージした音楽を表現することが重要です。

芸術やスポーツに関わっている人たちというのは、結果的に人々に感動を与えることができます。それをなぜかと考えると、全力で自己表現しているから(中略)

自己表現するということは、自分自身を正直に曝け出すということです。(中略)

しかし、人はしばしば他人の目を気にしたり、他人にどう思われるかを気にして、自分自身に正直に生きていません。自分でない誰かを演じてしまうことがあるのです。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

感動を与えようとすることは、作為的であるし多分に演技的でもあるのです。他人を意識した行為は、とても自己表現とは呼べません。ですから私は、「感動を与えようとすること」は邪心だと思っています。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

音楽表現というのは、あくまで「好み」の要素が強いです。

どんなにおいしい食べ物でも、万人に好まれるわけではないのと同じ。

だからこそ(特にクラシックの世界では、)同じ曲を色々な奏者が、個々人が良いと思う表現で演奏します。

バージェス

最初は、どんな表現が良いか迷うかもしれません。

しかし、様々な良い音楽を聴いていくことで、自分の好みが確立し、迷いがなくなってきます。

自分のイメージや好みを確立するには、良い音楽をたくさん聴くことが大切です。イメージができない音楽は、どんなに技術が合っても演奏できません。

音楽を聴くことやイメージの重要性は、こちらの記事で詳しく解説しています。

>サックス・吹奏楽部員のための音色改善・イメージの重要性とセンスについて

②本番前の緊張との付き合い方

本書で特に参考になった、本番前の緊張対策は大きく2つあります。

腹式呼吸に集中する

本番前は、腹式呼吸に意識を集中すべきです。具体的には、次のような意識を持ちます。

  • 吸う・吐く秒数をカウントする
  • 空気が身体の中を流れている感覚を意識する
  • 横隔膜など、呼吸に伴う身体の動きを意識する

本番前に「音を間違えるのではないか」などの不安を止めるのは難しいです。不安を止めようとすればするほど、かえってうまくいきません。(シロクマ効果)

「シロクマ効果」とは、「シロクマのことを絶対に考えてはいけない」と思うほど、逆にシロクマのことが、頭から離れなくなるという、心理学の現象のこと。

シロクマ

演奏直前に「考えるな」ということも難しいので、他の方法をアドヴァイスします。それは腹式呼吸に集中するというものです。(中略)

腹式呼吸を頭の中で「吸って、吐いて」と言いながら行うのです。頭の中に一度に二つのことは考えられないので、「吸って、吐いて」と言いながら行えば、ほかの余計な考えは入って来る余地がなくなります。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第1章

本書には書かれていませんが、緊張するときには、普段よりも意識的に深く呼吸をすべきです。具体的には、横隔膜を普段以上にしっかり下げることを意識します。

特に管楽器奏者が、緊張して思ったような演奏ができない原因は、普段より呼吸が浅くなっているからです。

深く呼吸をすることで、普段の呼吸の感覚が戻ってきます。

バージェス

私自身は、この深い腹式呼吸を本番前のルーティーンとしています。

ルーティーンを決めておくと、本番前にやるべきことを考えなくて済む、というメリットもあります。

呼吸法をはじめ、私自身が実践している緊張対策は、こちらにまとめています。

>【即効性アリ!】すぐに実践、簡単にできる演奏会での3つの緊張対策

これらの方法は、急に本番前に使うことはオススメしません。本番前に普段と違うことを行うことは、かえってペースを崩しかねません。

ぜひ普段の練習から、少しずつ取り入れてください。

緊張=「悪」と考えない

緊張は「より集中力を上げるためのツール」と考えるべきです。

緊張によって集中力が上がる・エネルギーを満たしてくれる

緊張を抑え込む・緊張から目をそらす

緊張してきたなと感じたら、「よしよし、これで集中する準備ができたぞ」と考え、緊張感を集中力に変えるのです。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第1章

この緊張の考え方は効果があると、科学的にも証明されています。

楽器演奏に脱力は必要です。しかし、メンタル面でリラックスし過ぎることはオススメしません。

練習においても「気軽に」とか「リラックスして」とか考えずに、しっかり緊張して、緊張から集中力を生み出す感覚を覚えましょう。

練習も緊張感を持たせる練習例
  • 他人に聴いてもらう
  • 自分の演奏を録音する
  • 鏡や写真を置く

③脳の活動を理解する

脳の仕組みを理解して、練習・本番に取り組むことで、効率が上がります。

NGワードを読み替える

次のようなNGワードは使うと、脳の動きが止まります。同じような意味であっても、別の言葉に読み替えるべきです。

NGワード読み替え
「無理」
「難しい」
「時間がかかる」
「だいたいできた」
「ほぼ終わった」
「まだ途中」
「失敗」「うまくいかない」

自分自身がやってしまいがちなのは、たくさん練習した難しい箇所は上手くいっても、普段は間違えない箇所でミスをするケースです。

曲のクライマックスが終わっただけで、曲自体は終わってないのに「難所は終わった」などと安心すると、脳は終わったものとして活動を停止してしまうことです。

曲を弾いていて難所を乗り越えた後で、ガタガタと崩れていった経験がある人も多いと思います。それは、難所を越えて安心したのではなく、自分の「難所は終わった」という頭の中でのつぶやきが脳の活動を停止して、集中力がオフになってしまったからです。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

舞台を降りるまでは、終わりではない。決して油断しない。

いつでも実力の8割を出すつもり

本番では、実力の8割を出すことを目指します。「自分の実力を100%発揮する」「ノーミスで演奏する」と考えることは、一見すると良さそうに思いますが、メンタル的には不適切です。

自分の実力の100%を定義すると、「細切れに練習して上手くいったテイクを、曲全体を通して演奏しきる」ことに近いです。

たしかに細切れで練習すれば上手くいくこともあるので、自分の実力のうち、とも言えますが、これを1曲通して演奏しきることは、非常に難易度が高いです。

これを緊張する本番の場でやろうと思うと、自分自身を追い込んでしまい、より緊張を誘発してしまいます。

自分の実力を出せない過去があるのに、自分の力を100%出そうと望むのはどうしても理解に苦しみます。そうやって、自分をがんじがらめに縛りつけての本番だから、結果的に50~60%くらいしか力が発揮できないのです。

100%完璧な演奏をしようとするから、一つミスが出ると、もう100%ではないから集中力が切れてしまう

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

1つミスをした時点で、「終わった」と感じてしまうと、前述した通り脳の機能は止まり、集中力は下がり、ミスした後の演奏にも響きます。

プロというのは、どんな体調であろうが、何があろうが、いつでも自分の実力の80%を出すように心がけている(中略)

いつでも最低80%を出せるようにしていれば、調子のよい時には90%、100%出ることもある

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

「8割で良い」と考えれば簡単に思えるかもしれませんが、逆に言えば、8割の実力でも本番が成立するくらいのクオリティを目指して、練習・準備していくことが必要です。

バージェス

本書では「8割」と解説されていますが、私自身の感覚としては「いつも通り」のクオリティで演奏する方が近いです。

本番の場で「いつも通り」の演奏するのは、簡単ではありませんが、あくまでいつも通りなので、決して不可能なこと・難しいことではありません。

「できることをやる」という感覚でいる方が、本番前に落ち着くことができます。

④才能よりも努力

私は、スポーツ界や音楽界に知り合いが多く、指導者は勿論プレーヤーにもたくさん話を聞きます。

しかし、「才能が必要」と強調する人に会ったことがありません。ほとんどの人たちが「才能」ではなく、「努力」ですよと言います。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第2章

モーツァルトは「天才」として語られる作曲家ですが、幼少期に作曲家だった父からのスパルタ教育を受け、モーツァルト自信が猛勉強していた点は、あまりフォーカスされていません。

私自身が指導していても、「自分にはセンスがない」という生徒さんをよく見かけます。

センスは「生まれつき備わっているもの」ではなく、「誰にも備わっていて、磨いていくもの」です。

具体的には、「良い音楽をたくさん聴くこと」でセンスは磨かれます。練習と同じように、「良い音楽をたくさん聴く」という努力が必要なのです。

様々な音楽を聴くことで、自分が演奏する曲をどう演奏すべきか、イメージが湧くようになります。

どれだけ技術を磨いても、イメージできない音は出すことができません。

「良い音楽を聴く」ことも練習の一環、努力を積み上げれば、必ず道は開けます。

バージェス

自分自身、一生懸命に練習しても、裏拍がとれるまで約1年かかりました…

楽器始めたころからセンスがあったとは到底思えないですよね?それでもプロになれました。

私が考える「センス」については、こちらの記事に詳細にまとめています。

>サックス・吹奏楽部員のための音色改善・イメージの重要性とセンスについて

⑤練習や本番の過ごし方を記録する

スポーツの世界では、練習内容をノートを記録するのが一般的ですが、音楽ではその習慣がほとんどありません。

本番前の何日かを、どう過ごした時に上手くいって、上手くいかなかった本番の前にはどう過ごしていたのかなどまったく記憶に残ってないのです。そのような自分の記憶の曖昧さを自覚してください。そうすれば、練習ノートをつけることの必要性に納得がいくと思います。

引用元:前向きに、考える~演奏家のためのメンタル強化術 第1章

著者は次のような内容を練習ノートに記録することを推奨しています。

  • 今日の課題
  • どこで何時間練習したか
  • その日の体調
  • やる気や前向き度などの心のありよう

これらを記録して、上手くいったときのパターンを繰り返していくと、効率よく上達していけます。

バージェス

私自身は色々試した結果、演奏前の食事が集中力に大きく影響していることが分かりました。

眠気から集中力が下がるので、本番前は糖分(炭水化物など)をとるのは避けています。

まとめ

本書で特に参考となった点は、次の5つです。

  1. 練習から、間違えても演奏を止めない癖をつける
  2. 緊張は悪ではなく、腹式呼吸に集中することで落ち着ける
  3. 脳の活動を理解する
  4. 才能よりも努力が重要
  5. 練習や本番の過ごし方を記録する

ここで紹介した内容は、私が特に有益と感じた部分の抜粋で、本書には他にも様々な考え方が掲載されています。

ここで紹介しなかった内容であっても、あなたにとって、よりしっくりくる内容が掲載されていることもあるかもしれません。

少し長めの本ではありますが、要点がまとまっており、読みやすい本です。興味のある方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。