サックスを演奏していると、「ズルズル」という唾(つば)の音・ノイズが入ってしまうという悩む方がいます。
その悩みを解決すべく、道具と奏法から解決策を解説します。
- サックスを演奏していると、唾の音が入ってしまう。
私バージェスが考える、唾の音の対処法はこちら!
オクターブキーとリードを疑う
口の中が狭いアンブシュアで演奏する
どんなに良い音楽を演奏していても、唾の音がすると全てが台無しです。
簡単に試せる方法もありますので、唾の音への悩みを軽くできれば嬉しいです。
様々なアプローチを提案していきますので、ぜひ最後までお読みください。
1.唾の溜まりやすい箇所とその対処法
まずは楽器の特性で、唾の音がしてしまうケースと、その対処法を解説します。
簡単にできますので、唾の音に悩む方は、ぜひ試してみてください。
1-1.オクターブキー
オクターブキーを押した音だけで、唾の音がする場合です。
サックスのオクターブキーは1箇所を押さえるだけですが、実は楽器が2つのオクターブキーを自動で切り替えています。
このどちらのオクターブキーにも、唾が溜まりやすい構造となっています。
唾だけでなく、結露がたまることもあります。
寒い場所で練習していると、楽器の外側は冷たいですが、内側は空気で温められます。
寒い日に、窓ガラス内側に水滴がつくのは、部屋の中が暖かいからで、これと同じ現象です。
1-1①.第1オクターブキー
真ん中のレ〜ソ#までは、第一オクターブキーを使用しています。
この音域で唾の音がした場合、第1オクターブキーに水が溜まっている可能性があります。
低いレの運指のまま、オクターブキーを押したり離したりしてみましょう。
ネックと本体の結合部の少し下が動きます。
その場所が第1オクターブキーです。
第1オクターブキーに、思い切り息を吹きかけます。
息を吹きかけて、そこにある水を飛ばします。
音がするほど息をたくさん吹きかけないと、溜まった水が飛ばない可能性があります。
ですので、合奏中の休符の時などに行うのは避けましょう。
1-1②.第2オクターブキー
上のラより高い音は、第2オクターブキーを使用しています。
ネック部分にあります。
下のラの運指のまま、オクターブキーを押したり離したりすれば確認できます。
次の方法を試してみてください。
- 楽器本体とネックを外す
- ネックの息の出口を、タオルを持った手でしっかり塞ぐ
- 第2オクターブキーを手で開ける
- 楽器を吹くのと同じ要領で、息を吹き込む
このような状態で息を吹き込みます。
こうすると、息の出口が第2オクターブキー部分だけになりますので、息圧で、溜まった水が外に出ます。
バリトンサックスは、第1・第2オクターブキーの位置が他のサックスとは違う位置にあります。
構造が違うため、バリトンサックスはオクターブキーに水が溜まることは、ほとんどありません。
1-2.リード
どの音も全体的に唾の音がする場合は、リードを疑います。
考えられる原因は2通りあります。
1-2①.リードの裏側に唾が溜まる
特に樹脂(プラスチック)のリードでは、リードが水分を吸わない分、この現象が発生しやすいです。
可能であれば、1度マウスピースからリードを外します。
リードの裏面(マウスピースと接する側)に唾が溜まっていた場合、それを拭き取ります。
リードを傷つけないよう、丁寧に拭き取ってください。
演奏途中などで、リードをマウスピースから外せない場合、唾を吸い取ります。
吸い取るときは、「息を吐くのでなく、吸う」という点以外は、楽器演奏をしているときと全く同じです。
ためらわずに、思い切り吸い込みます。
リードにデコピンする
時々見かけますが、リードへのデコピンは絶対にやめましょう。
リードに少しでも傷がつくと、音が出にくくなったり、汚くなったりして、演奏に悪い影響が出ます。
1-2②.1枚のリードを使いすぎ or リードが寿命
1枚のリードを使い過ぎても、唾の雑音は入ります。
リードを交換したら、唾の雑音が無くなるかどうか、試してみましょう。
葦(木)のリードの場合、ある程度の水分をリードが吸ってくれます。
しかし、リードが水を吸い過ぎてしまうと、唾の雑音が入ります。
特に新品のリードはデリケートなので、いきなり長い時間使うのは避けましょう。
また、リードが寿命を迎えると、水を少し吸っただけで、唾の雑音が入ります。
樹脂(プラスチック)のリードは、水を吸わないため、この事象は起きません。
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2.奏法から見直す
ここまで解説した方法で、唾の音が改善しない場合、奏法を見直してみましょう。
2-1.口の中の状態・舌の位置
まずはアンブシュアを作るときの、口の中の状態について観察しましょう。
唾液はいくつかの場所から分泌されますが、舌の裏のあたりで作られる唾液が演奏に影響を与えます。
この唾液に影響を受けないようにする方法は、「口の中を狭くする」ことです。
次のような舌の位置を意識してみてください。
- 舌の先は、下の前歯の裏に置く
- 舌の中央は、上顎に近づいている(接している)。
このような舌の位置でアンブシュアを作ると、息の通り道に、唾液が分泌されやすい舌の裏側が関わることはなくなります。
こちらの記事でもアンブシュアを作るとき、口の中の状態で注意すべきことを、詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
>サックスのアンブシュア ~口の中と舌の位置、タンギングの苦手を無くす
2-2.息のスピード
息のスピードを上げておけば、「リードの裏に溜まった唾を吹き飛ばす」こともできます。
前述した、「口の中を狭くすること」との相性も良いです。
口の中を狭くすると、口の先がすぼまり、息の出口が狭くなります。
ホースの先をつまんだ方が水圧が高くなって、水が勢いよく出るのと同じで、息も細くまとめた方が圧力が高く、スピードも上がるということです。
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まとめ
サックス演奏で唾の音がする場合の対処法を解説してきました。ポイントは次のとおりです。
- オクターブキーの水を抜いてみる
- リードの水分を取り除く・新しいリードに交換する
- 口の中が狭いアンブシュアにして、息のスピードを上げる
私自身も、楽器の特性なのか、オクターブキーの水抜きは頻繁にやっています。
今回の記事で、少しでも皆様の「唾の音」の悩みが軽減すると嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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