楽器演奏全般

ロングトーンとは〜サックス・吹奏楽奏者のための練習法とコツ

「ロングトーンってやる意味あるの?」「『ロングトーンは大切だ』と聞くけど、どうすれば効果的なロングトーンができるの?」

こんな悩みは、私も感じたことがあります。

今回はロングトーンの意義と、効果の高いロングトーンのやり方について、解説していきます。

この記事を読んでほしい方
  • ロングトーンの意義を知りたい。
  • 効果的なロングトーンのやり方を教えて欲しい。

私、バージェスが考える、ロングトーンのポイントはこちらです。

結論

息や奏法を一定に保つ

自分のブレスコントロール・奏法を見つめ直す。

ロングトーンの練習バリエーションを増やす。

闇雲にロングトーンに取り組むことなく、効率良く演奏上達に結びつけましょう!

私も楽器を始めた当初は、時間を見つけては、ずっとロングトーンばかりしていました。

それが今の演奏の基礎となっていることは、間違えありません。

しかし、当時は今から解説するような知識はなく、ひたすら・熱血でロングトーンをやっているだけでした。

皆さんはそうならないよう、より効果の高いロングトーンのやり方をお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください。

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1.ロングトーンの意味

1-1.ロングトーンとは

定義

ロングトーンとは、1つの音をまっすぐ伸ばし続ける練習のこと

管楽器上達のために必要な、最も基本的な練習のメニューの1つです。

初心者の方にとってはもちろん、プロの演奏家でも毎日欠かさず練習をする方もいるほど、重要度の高い練習です。

皆さんも、ロングトーンを日々の練習に取り入れましょう。

ロングトーンをやるべき意味と、具体的な練習法について解説していきます。

1-2.音が震える・音が続かない

管楽器を演奏する初心者の方にとって、最初に習得すべき技術が「音をまっすぐ伸ばす」ことです。

音をまっすぐ伸ばすためには、音を伸ばしている間、息もアンブシュアなどの奏法も、一定に保ち続ける必要があります。

逆に、ロングトーンで音が震える・ロングトーンが続かない理由は、息や奏法が一定に保てていないことにあります。

「楽器を演奏する」ということは、次のような非日常的な行為なので、簡単なことではありません。

  • 息を一定量・一定のスピードで吐き続ける
  • 普段使わない、口の周りの筋肉などを使う

ロングトーンには、普段使わない筋肉を鍛える、筋トレのような役割もあります。

息とアンブシュアなどの奏法を、一定に保つことが演奏の第一歩

1-3.ブレスコントロールを意識する

速いパッセージや表現豊かなビブラートなど、華やかなテクニックが目立ちます。

管楽器演奏の質の9割以上は「息」で決まるといっても過言ではありません。

音をまっすぐ伸ばすという、シンプルな練習だからこそ、息の使い方にも注目しやすい、という利点があります。

私が勧めるブレスコントロール・呼吸の技術は「吸気主動」という考え方です。

吸気主動とは、「息を吸うこと」に重点を置き、脱力することで吸った息が外へ出ていく力を利用して、楽器を演奏することです。

吸気主動には様々なメリットがあります。こちらの記事で解説していますので、ぜひこちらもお読みください。

>管楽器の呼吸法 第1回~腹式呼吸の復習と「吸気主動」という新しい考え方

1-4.今の自分の演奏を見直す

音を伸ばすというシンプルな練習だからこそ、息以外にも自分の演奏を見直すことができます。

アンブシュアや姿勢、フォームなどを見直してみましょう。

演奏法を見直したい・改善したいと思ったときに有効な練習方法は、「変化」と「反復」を使うことです。

自分の演奏に納得がいっていないにも関わらず、同じ奏法で練習し続けても、なかなか効果はあがりません。

そんなときは、演奏を少しずつ「変化」させていく必要があります。

しかし、演奏を変化させただけでは、緊張感のある演奏会本番など、変化前に戻ってしまいます。

そこで練習で起こした変化を、意識しないで演奏できるくらい「反復」練習して、身体で覚えこませてしまうことが大切です。

ロングトーンは音を伸ばすというシンプルな練習であるがゆえ、奏法を「変化」させた部分に集中しやすく、「反復」を行いやすい練習です。

アンブシュアを変化させたい場合

ロングトーンで練習する…音を伸ばしているときに、アンブシュアに集中できる。そのため、アンブシュアを変化させた状態のまま、練習を続けられる。

難しい曲で練習する…曲の方に意識が向かい、アンブシュアを変化させても、元のアンブシュアに戻ってしまいがち。その状態で練習をしても、アンブシュアを変化させた状態での演奏を「反復」できない。アンブシュアに意識もいく分、曲にも集中できない。

バージェス

「曲の練習もしながら、奏法を見直す」というのは、2つの練習を同時にやって、効率が良さそうに見える。

しかし、“二兎を追う者は一兎をも得ず“。効果的な練習方法とは言い難い。

効果の高い練習方法に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひお読みください。

>楽器上達のコツ!毎日の楽器練習を効率よく行うための2つの考え方

2.ロングトーン練習のやり方

2-1.基本的なロングトーンの練習方法

基本的なロングトーンのやり方は次の通りです。

練習方法

メトロノームを、♩=60にセットします。

メトロノームを鳴らしながら、8拍間、音を伸ばします。

その後、2拍間で息を吸います。

次の音を8拍間伸ばす、というサイクルです。

音階を使って練習するのが、効果的です。

ロングトーン課題1

音を伸ばすのが難しい場合、

  • 息を吸う時間を4拍にする。
  • メトロノームのテンポを上げる

を試してみてください。

まず初心者の方に気をつけて欲しいのは、次のポイントです。

ポイント
  • 音をまっすぐ吹く
  • できるだけ力まない。(=脱力する。)
  • (力まない程度に)息をたくさん吸う
  • 吸った息は、8拍間かけて均等に吹き込み、8拍感で使い切る
  • 8拍間伸ばし切る(9拍目のメトロノームの音が鳴ってから音を切る)

2-2.音量を変化させる

音を安定して伸ばせるようになったら、音量のパターンをつけてロングトーンをしてみましょう。

注意事項は、基本的なロングトーンの練習方法と同じです。

練習メニュー例
  • ffでまっすぐ伸ばす
  • ppでまっすぐ伸ばす
  • 徐々にクレシェンドしていく
  • 徐々にデクレッシェンドしていく
  • ppから始めて、均等にクレシェンド→デクレッシェンド
  • ffから始めて、均等にデクレッシェンド→クレッシェンド
  • ffから初めて、2拍目にはpp

勘違いする人もいますが、ffは大きい音ほど、ppは小さい音ほど偉いわけではありません。

「曲を演奏するときでも使える」音量である必要があります。

  • ffで音量が大きいが、音が割れている・音が汚い
  • ppで音量が小さいが、音がかすれている・音が聴こえない

ロングトーンで、曲を演奏するときでも使えるff(最大音量)とpp(最小音量)の幅を広げるための練習をする。

使える音量の幅が広くなるほど、音楽の表現力が増す。

クレッシェンド・デクレッシェンドは、伸ばしている間、均等に音量を変えていきます。

実際の曲では、「均等に」音量を大きくしたり、小さくしたりすることは少ないです。

しかし、「均等に」音量をコントロールすることが、ブレスコントロールの基本です。

均等に音量をコントロール出来ない人は、更に難しい、曲での音量変化ができません。

また、音量によって音程が変わらないように注意しましょう。

大きな音と小さな音で、演奏法が変わってしまうと、音程も変わってしまいがちです。

ロングトーンでの音量変化の練習は、ブレスコントロールの基本である「均等な音量変化」で行う。

吹きながら音程が変わらないように、自分の演奏法をよく観察する。

3.ロングトーン練習のコツと注意点

3-1.色々な音でロングトーンする

吹奏楽部のトランペット吹き

ロングトーンは毎日、B♭-durの音階で練習しています。

吹奏楽部でレッスンさせていただくと、特にこのような声を良く聞きます。

吹奏楽で良く使う音階だけを使って、ロングトーンをしている生徒さんが多いです。

音階を使って、ロングトーン練習をするのは効果的ですが、特定の音や音階だけを使って練習するのはNGです。

問題点① 臨時記号(#や♭)を使った音が少ない

吹奏楽で良く使う音階は、多くの楽器で、臨時記号が少ない音を使用しています。

臨時記号のない音は、基本的にどの楽器も鳴らしやすい傾向にあります。

難しい音を重点的に練習していくべきなのに、これでは難しい音はいつまでも練習されません。

簡単な音がより良く鳴るようになり、難しい音は鳴らないままです。

これでは難しい音が出てきたときに、音が綺麗に繋がらず、ムラが出てしまいます。

問題点② 音域が狭い

吹奏楽の合奏で音階練習をすると、1オクターブしか演奏されないことが多いです。

楽器によって音域が違うので、ある楽器では2オクターブ出る調だけど、別の楽器では2オクターブは出ない、などの問題があります。

そのため吹奏楽の合奏での音階練習は、1オクターブしかできないのは仕方ありません。

が、個人練習では別です。

吹きやすい音域の音階ばかり練習してしまうと、簡単な音ばかり練習する、という問題点①と同じ事象が現れます。

問題点③ 短調をやらない

何故か短調をほとんどやらない団体さんも多いです。

長調よりも馴染みが薄い、短調の方が難しいとも言えるので、積極的に取り入れましょう。

高音域・低音域や臨時記号のついた音など、難しい音をロングトーン練習に取り入れる。

バージェス

私も以前、最高音や最低音に近い、難しい音域を中心にロングトーンしていた時期もあった。

また、臨時記号の多い音階は、速いテンポで吹くのは難しくても、ロングトーンには取り入れやすいので、楽器を始めた初期の段階から取り入れていたぞ。

3-2.音の出だしを意識する

どんな音量でも、音がまっすぐ安定的に出せるようになった方は、「音の出だし」や「発音」に最も神経を使うべきです。

音の出だしは、演奏の印象を大きく左右するからです。

演奏を録音して、編集で発音部分を切り取ると、何の楽器で演奏しているかが分からなくなります。

ロングトーンというシンプルな練習だからこそ、音の出だしに注意していきましょう。

「音の出だし」は演奏の印象を決める、最も重要な要素の1つなので、ロングトーン練習から意識する。

3-3.音の切りのバリエーション

音の切り方は、演奏する音楽のジャンルによって異なります。

  • クラシック→息を減衰させて、音を切る
  • ポップス→息はまっすぐ入れたまま、舌で楽器の振動止める。

自分がどのジャンルを演奏するかに応じて、音の切り方は変えましょう。

吹奏楽をやられている方は、基本クラシックの音の切り方をまずは習得しましょう。

しかし、吹奏楽ではポップスなど様々なジャンルを演奏します。

ですので、ポップスの切り方も、時々練習しておきましょう。


日々行う練習だからこそ、今回の解説を参考に、効果の高い練習としてください。

次回はロングトーン応用編として、「曲に活かせる」ロングトーンの練習方法を解説します。

スラーやレガートが苦手、フレーズを綺麗に演奏したい人、必見です。

>ロングトーン応用編~サックス・吹奏楽奏者に向けた効果的な練習

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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吹奏楽CDのレコーディング実績30枚以上・国際コンクール上位入賞実績のある私が、吹奏楽部・吹奏楽団の指導を行います。

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