サックス奏法

サックスのリペア・調整・修理〜体験談から価格・期間・頻度を解説

サックスのリペア・調整・修理に関して、よくいただく質問をまとめました。

私自身、大手楽器店から個人でやられている方まで、数多くのリペアマンにお世話になってきました。

この記事を読んでほしい方
  • サックスのリペアにかかる、料金の相場を知りたい
  • サックスのリペアにかかる、期間の目安を知りたい
  • サックスのリペアに、持ち込むべき頻度を知りたい

私バージェスが体験した、リペア・調整の相場はこちら!

結論

料金は、定期調整であれば、5,000円〜6,000円程度

定期調整なら、1時間程度で終わるお店もあり

持ち込みは、半年に1度行けるのがベスト、最低でも年1回

私自身、過去に何社かリペアをお願いしてきた、具体的な体験談から紹介していきます。

皆さんがリペアに関わるときの参考となりますので、ぜひ最後までお読みください。

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1.リペア・調整・修理にかかる料金・値段

楽器店・リペアマンにもよりますが、定期調整であれば、1回5,000円〜6,000円の場合が多いです。

ただし、次のような場合は、さらに金額が上乗せされます。

リペア金額が上乗せされるパターン
  1. タンポやコルクなど、部品を交換する必要がある
  2. 落とした・ぶつけたなど、楽器に大きな損傷がある
  3. 前回リペアに持ち込んだ日から、期間が大きく空いてしまった場合
  4. そのお店への初回の持ち込み

定期調整は、あくまで「キーが正しくふさがっているか」「オイルが切れていないか」などの作業がメインです。

①の消耗品の交換では、タンポやコルク自体の代金と、交換のための技術料がプラスされます。

②の大規模な修理は、定期調整には含まれませんので、追加料金が発生します。

③の期間は大きく空くほど、キーのふさがりが甘くなってきて、手間がかかるため、料金が割高になります。

④の初回の持ち込みに関しては、リペアマン・楽器店によっては発生しません。

リペアマンのこだわりがあり、大きく分解して組み直し、そのリペアマン独自の調整をしてくれます。

そのため、状態が悪いとは言えない楽器であっても、初回だけは大きく分解する都合上、費用がかかってしまうことがあります。

バージェス

④に関しては、職人のこだわり・プライドが大きくでる部分。

担当するリペアマンによっても、仕上がりに大きな差が出る。

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2.リペア・調整にかかる期間・時間

リペア・調整にかかる期間は、楽器の状態や、楽器店の混雑状況に影響されます。

しかし、定期的(年2回程度)にリペア・調整に出していれば、少しの時間で、完了することもあります。

定期調整であれば、1時間程度、その日のうちに持ち帰ることができるお店もある

バージェス

持ち込んだその日に持って帰れて、預ける必要がないため、私自身も重宝している。

ただし、あくまで「定期調整のみ」であることが前提です。

次の場合は、「定期調整のみ」には当たりません。

「定期調整のみ」でないケース
  • タンポなどの消耗が激しく、多数の消耗品の交換が必要となる場合(数年に1回程度)
  • 前回リペアに持ち込んだ日から、期間が大きく空いてしまった場合
  • そのお店への初回の持ち込み

基本的には、料金が上がるケースと同様です。

少しの消耗品の交換(ネックのコルク交換など)であれば、定期メンテナンスの時間内で、対応いただけることが多いです。

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3.リペア・調整に楽器を持っていく頻度

どの程度演奏するかにもよりますが、年2回程度をオススメします。

年2回持ち込めれば、良い状態をキープしたまま演奏ができます。

バージェス

私が知っているプロの演奏家の方は、年4回持ち込む方が多いように感じる。

プロの方は、一般の方よりも楽器を酷使するので、あくまで参考。

長期間にわたり、演奏されていない楽器の調整には、時間と手間を要し、料金も高くなる。

楽器は演奏すればするほど、消耗していき、頻繁にリペアにいくことが望ましいです。

だからといって、「演奏していない=リペアの必要がない」というわけではありません。

むしろ、適度に吹いている楽器よりも、状態が悪くなっていきます。

もちろん、演奏することが1番ですが、ケース内の換気やキーを動かすようにすれば、多少は軽減できます。

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4.リペア・調整・修理での音程の調整

リペアに持っていくと、「ある程度の」音程調整は可能です。

音程調整は、次のように行われます。

リペアでの音程調整の方法

キーの開きを微妙に変える。

  • 開きを大きくする→音程が上がる
  • 開きを小さくする→音程が下がる
サックスキーの開き

「ある程度」と書いたのは、音程調整ができる場合とできない場合があるからです。

※ここからの解説では、キーの名称が出てきます→サックスのキー名称




音程調整ができる可能性がある例
  • 最高音のファ#の音程を上げてほしい(下げてほしい)
  • オクターブ上のラより高い音全ての音程を上げてほしい(下げてほしい)

最高音のファ#では、C5キーを使いますが、他の音でC5キーは使用しません。

つまり、C5キーを押したときの開きを変更すれば、最高音のファ#だけ、音程を変更することができます。

また、オクターブ上のラから上の音程を、全て調整したい場合、第2オクターブキーの開きを調整できるか確認します。

オクターブ上のラから上の音は、全て第2オクターブキーが開いている状態だからです。



音程調整ができない例

真ん中のレの音程だけを下げてほしい

真ん中のレで使うキーは、他の音でも使用するため、「真ん中のレだけ」を調整で音程を変えることはできません。

※真ん中のレの音程でお困りの方は、こちらの記事を参考にしてください。

>サックスの音程・ピッチ練習〜真ん中のレとミの練習方法

音を出すときに、どこのキーが開く・閉じる動きをしているか把握できれば、音程調整の注文がしやすい。

実際には、今の楽器のキーの開き具合にもよりますので、リペアマンに相談してみてください。

キーの開きを変えると、吹奏感や音の響きが変わる可能性がある。

キーの開きは、音程以外にも影響を与えます。

ケースバイケースですが、1度キーの開きを変えてみても、簡単に戻せる場合がありますので、こちらもリペアマンに相談してみてください。

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5.リペア・修理・メンテナンス担当の選び方

女性サックス奏者

結局、どのようにリペアを選べば良いのでしょう?

バージェス

可能であれば、信頼のできるサックス吹きに相談できるのがベスト。

あとは、お住まいの地域で口コミを見て、足を運ぶとか。

しかし、リペアに絶対はないので、最終的には好みになるな。

自分に合ったリペア担当に巡り会えるかは、運や縁の要素も強いです。

皆さまの参考になるよう、私自身の体験談をお伝えします。

良いリペアマンに当たった実体験

私が今現在、お願いしているリペアマンの方のお話しです。

本当に詳しくて、色々なことを教えてくださいます。

教えていただいたこと
  • 今の楽器の状態がどこが良くないのか、忖度なしで、ハッキリとダメ出ししてくれる
  • どのような調整をしているのかまで、説明してくれる
  • 自分が使用しているセルマーの製造番号から、その時代の楽器の特徴を教えてくれる
  • ケースまで見て、交換した方が良いとアドバイスをくれる

また、何より感動したのは、リペア後の楽器の状態です。

キーを押さえると、指先まで楽器の振動を感じます。

それほど、キーのふさがりが完璧に閉じているということで、初めての体験でした。

悪いリペアマンに当たった実体験

練習中にバネが切れてしまい、C1キーが常に開いた状態で、全く演奏できなくなってしまった。

※サックスのキー名称はこちら→サックスのキー名称

しかし、当時お願いしていたリペアマンの予約が、最短でも2週間後しか取れなかったため、泣く泣く近所の楽器店に電話をしました。

バージェス

すみません、至急サックスの修理をお願いしたいのですが、対応いただけますか?

困ったリペアマン

はい、応急処置になってしまいますが可能だと思います。どのような症状でしょうか?

バージェス

はい、C1キーのバネが切れてしまいまして、取り急ぎ交換をお願いしたいです。

困ったリペアマン

C1キー…?ド(C)のキーですか?

バージェス

…。

ハッキリ言えば、勉強不足が過ぎます。とてもプロとは思えません。

バネを交換していただけたのは、感謝していますが、2度と自分の楽器を触って欲しくなかったです…

しかも、おそらく知ってる方も多い、大手の楽器店です…苦笑

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6.リペアの独学

実際に楽器に手を入れるのは、プロのリペアマンにお願いすべきです。

しかし、リペアについて独学することは、自分の楽器を理解する、と言う点では有益です。リペアマンとのコミュニケーションもとりやすくなります。

リペアについて学ぶなら、こちらの書籍がオススメです。かなり詳細に書かれた書籍ですので、リペアマンを志すわけではない場合、この1冊の知識があれば、十分すぎるほどです。

まとめ

サックスのリペア・調整について、深く解説させていただきました。

本当に良いリペアマンに調整をお願いするために、長距離移動している方もいます。

そこまではしなくとも、良いリペアマンとの出会いは、あなた自身の演奏をさらに向上させる大きな手助けとなります。

「リペアなんてどこも同じ」「とにかく安いとこ」なんて言わずに、良いリペアマンを探し、良い関係を築いてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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