サックスの真ん中の「レ」と「ミ」の音は、音程が高くなりやすいことで知られています。
もちろん楽器の構造にも原因はありますが、真ん中の「レ」と「ミ」の音程が高くなりやすい原因は、演奏法にもあります。
真ん中の「レ」と「ミ」が高くなりやすい演奏法と、高くなってしまう理由、正しい音程で演奏するための具体的な練習方法を解説します。
私バージェスが考える、真ん中の「レ」と「ミ」の音程対策はこちら!
真ん中の「レ」と「ミ」の音は、オクターブ下の吹き方と同じにする。
私がレッスンをした生徒さんは、ほぼ100%、この方法で真ん中の「レ」と「ミ」の音程を下げることができました。
成果が実証されている方法ですので、ぜひ最後までお読みください。
1.真ん中の「レ」と「ミ」の音程を直す練習法
次の楽譜を、チューナーを見ながら練習しましょう。
ずっとオクターブ下のレ・ミの音をロングトーンしながら、オクターブキーを押すだけ。
オクターブキーを押す以外は、息づかい・アンブシュアなど、何も変化させない。
このポイントは必ず守ってください!!
いつも練習しているより、かなり音程が下がったはずです。
この秘密は、真ん中の「レ」と「ミ」の音程が高くなってしまう理由、を知る必要があります。
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2.真ん中の「レ」と「ミ」の音程が高くなってしまう理由
サックスで、真ん中の音域と低い音域は、次のような違いがあります。
- 真ん中の音域…音が出しやすい
- 低い音域…音が出しにくい
低い音域が出すには、次のような条件が必要であるため、音を出すのが難しいです。
- ゆっくりした息を出す
- マウスピースを噛まない
多くの人は、「息をたくさん入れよう」とし過ぎて、次のような悪循環が起きています。
- 息をたくさん入れ過ぎようとしてしまう
- 力が入ってしまい、マウスピースに噛みついてしまう
- マウスピースを噛むことで、リードの振動が妨げられてしまう
- 良い音が鳴らないので、余計息を入れようとし過ぎてしまう
低音域を演奏する場合、「マウスピース」に噛み付いてしまうと、音が出ません。
そのため、低音域を吹くときは「マウスピースを噛んでしまう=音が出ない、間違った吹き方」というのが、わかりやすいです。
しかし、中音域は「マウスピースを噛んで」演奏しても、音が出てしまうため、間違った奏法であると気が付きにくいのです。
多くの人は、中音域でマウスピースを噛みすぎている
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3.この練習のメリット
初めに紹介した練習方法を思い出してみましょう。
ずっとオクターブ下のレ・ミの音をロングトーンしながら、オクターブキーを押すだけ。
オクターブキーを押す以外は、息づかい・アンブシュアなど、何も変化させない。
「オクターブキーを押す以外、何も変えない」というのが超重要です。
これで真ん中の「レ」「ミ」もオクターブ下の音と同じ奏法で演奏することができます。
真ん中の「レ」や「ミ」は、油断するといつもの吹き方に戻ります。
オクターブ下と同じ吹き方ができているか、よく観察しながら練習しましょう。
この練習法を反復して、真ん中の「レ」や「ミ」の正しい吹き方を覚えます。
慣れたら最初から真ん中の「レ」や「ミ」であっても、オクターブ下と同じ吹き方ができるよう、練習します。
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4.喉・声帯を使う
音程を下げる場合には、次のような対策を取るのが一般的です。
- 口の中(容積)を広くする
- 息の方向を下向きにする
これらの方法は、音程は下がりますが、演奏法を大きく変えてしまう危険があります。
口の中は狭い方が望ましいですし、息も音が鳴る1番良い場所に当てるべきです。
口の中が狭い方が良い理由は、こちらで解説しています。
>サックスのアンブシュア ~口の中と舌の位置、タンギングの苦手を無くす
少し応用となりますが、対処法の1つとして、喉・声帯を使うのも有効です。
喉・声帯を合唱しているときと同じ状態にして、サックスを演奏する。
歌で音程を下げるときのと同じように、喉・声帯を使う。
喉や声帯は小さな動きで、音程を変えられる超精密な器官です。
口の中を広くしたり、息の向きを下にしたりするより、演奏への影響は小さいです。
喉や声帯の使い方に関し、より詳細な内容は、こちらの記事で解説しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。