- Q1.息が続かない
- Q2.息のスピード
- Q3.息が詰まる
- Q4.息の入れ方
- Q5.息の音
サックスの上達を目指すにあたって、アンブシュアやタンギングなどに目が行きがちですが、実は1番大切なのは「息」です。
国際コンクール上位入賞・吹奏楽のCDレコーディングを30枚以上リリースした私が、よくある息の疑問に回答します。
この記事では、サックスの息に関する悩みを1つ1つ回答していきます。
この記事を読むとあなたのサックスに関する息の悩みが解消し、上達スピードが格段に上がります。
Q1.息が続かない
1-1.セッティングが重すぎる
まず見直したいのはセッティングです。息が続かない場合、重すぎるセッティングとなっているケースが多いです。
まずはリードの硬さを見直してみましょう。標準はバンドレンのトラディショナル(通称:青箱)の3番です。
daddariowoodwinds.jpより引用
よくあるケースはバンドレンのV12(通称:銀箱)の3番を使っている方が多いことです。
V12の3番はかなり重いセッティングです。V12の場合は2.5が標準の硬さだと思っておくと良いと思います。
私自身はかなり軽めのセッティングで演奏しています。
「プロの演奏家はみんな重めのセッティングにしている」と誤解している方もたまに見かけます。
1-2.腹式呼吸を見直す
セッティングを軽くしても息が続かない場合、次に疑うのは正しく腹式呼吸ができているかどうかです。
腹式呼吸は簡単に言うと「息を吸うときにお腹が膨(ふく)らみ、吐くときにお腹がへこむ」呼吸法のことです。
腹式呼吸の感覚をつかむためには、あおむけになって呼吸する
あおむけの状態で呼吸すると、身体の構造上、必ず腹式呼吸になります。
この感覚を覚えて、立ったり座ったりしても同様の呼吸ができるように訓練します。
その際に横隔膜が動いていることを確認してください。
管楽器の呼吸法については、こちらの記事でも詳しく解説していますのでより詳細な内容が知りたい方はぜひお読みください、
>管楽器の呼吸法 第1回~腹式呼吸の復習と「吸気主動」という新しい考え方
呼吸に関してはこちらの本でも詳しく解説されています。専門的で深い内容が書かれていて難易度は高いですが、安価で購入できますので、ぜひ挑戦してみてください。
1-3.息が漏れていないか確認
息が漏れていると、余計な息を使ってしまっているので、息が続かなくなりがちです。
息が漏れる場合は、アンブシュアに問題があることがほとんどです。
息が漏れるのは口の横からですので、しっかり締めるようにしましょう。口先は「ウ」と発音したときに近く、口をすぼめます。
口の中は「ウ」ではなく「イ」の形にして舌が下がらないようにします。
またマウスピースを浅めにくわえると、口の横で締める力が少なくて済むので試してみてください。
アンブシュアに関しては、こちらの記事でかなり詳しく解説しています。
>【完全解説】サックスのアンブシュア〜クラシック・吹奏楽奏者向け
1-4.ブレスについての考え方を変える
「ブレスをとる際は、なるべく多くの息を吸うべきだ!」このように考えていませんか?
この考えは間違えとまでは言えませんが、固執しすぎるのは良くありません。
「少ないブレスで回数を多く吸う」という選択肢も持っておきましょう。
たくさん吸おうとすると、どうしてもブレスにかかる時間は長くなってしまい、音楽の流れが切れてしまいます。
上手にブレスが取れれば、音楽的に違和感が出ずに自然な流れとなります。
息をある程度まで吐き切ってから、ブレスを取る
息を吐き切ると、脱力して口を開けるだけで息は身体の中に取り込まれます。(水泳の息継ぎと同じ仕組みです。)
上手な人は肺活量が多いのではなく、ブレスの取り方が上手い。
1-5.音量を調整する
ここまで紹介した対策を講じても息が続かない場合、音量を下げることも考慮に入れましょう。
音量を下げれば、使う息の量は少なくなります。
そもそもサックスはかなり音量が大きい楽器なので、今の音量を維持しないといけないのか、1度冷静に考えてみてください。
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Q2.息のスピード
息のスピードは高音域にいくほど速く、低音域にいくほど遅くなります。
これは楽器の大きさも関係していて、息はソプラノ→アルト→テナー→バリトンの順で遅くなっていきます。
レッスンをしている感覚では、息のスピードが遅い方が圧倒的に多い印象です。
なのでまずは息のスピードを上げれるように、工夫してみましょう。
息を速くしようとして、口が力んでマウスピースを噛まないように!
マウスピースを噛んでしまうと、リードの振動を妨げてしまい、良い音が出ません。
また息のスピードが足りないだけでなく、息を太く入れすぎている方も多く感じます。
息を細くまとめて、スピードを上げてみてください。この奏法ができるようになると、軽いセッティングであっても抵抗感を感じることができます。
この抵抗感に負けないように、より速い息を吹き込むと響きのある音が出せるようになります。
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Q3.息が詰まる
息が詰まる原因として考えられるのは、マウスピースの噛み過ぎです。
マウスピースを噛んでしまうと、リードの振動が妨げられてしまうため止めましょう。
マウスピースをプレスしないと吹けない、という方は唇を使って強くマウスピースを締めてみてください。
マウスピースを締めないに越したことはありませんが、唇だけではそこまで大きな力は出せないので、リードの振動が大きく妨げられることはありません。
問題は顎を使って噛んでしまうことです。顎の力はかなり強いので、簡単にリードの振動が妨げられてしまいます。
また息が詰まる原因として「セッティングが重すぎる」ことも考えられます。
「Q1.息が続かない」という部分で前述していますので確認してみてください。
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Q4.息の入れ方
サックスの息の入れ方は、基本的にはネックと平行になるように息を入れます。
具体的にはネックを本体から外し、ネックだけで良い音が出るポイントを探します。
ネックだけで色々な奏法を試してみてください。奏法を変えると出る音の響きが大きく変わるのが分かると思います。
良い音が出る1点に集中して、細くまとめた息を当てるように意識する。
サックスは良くも悪くも音が出しやすい楽器です。音が出るツボは非常に大きいですが、良い音が鳴るツボは実は非常に小さいです。
良い音が鳴るツボをネックまでで探してみましょう。
ネックまでの練習は、私自身もスランプで良い音が出なくなった際の確認として、今でも取り組んでいます。
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Q5.息の音
息の音が混じってしまうケースは、次の2点が考えられます。
- セッティングが合っていない(重すぎる)
- 息が漏れてしまっている
この2点に関しては「Q1.息が続かない」という部分で前述していますので確認してみてください。
「息の音が混じる」というのは必ずしも悪いとは言い切れません。息の音を意図的に混ぜることで、より柔らかく・淡い響きを出せます。
絵の具に水を混ぜると、原色より淡い色になるのと同じイメージです。口をかなり緩めると出すことができます。
息の音を意図的に混ぜるのは上級テクニックですので、まずは息の音がない音を目指してみましょう。
サックス初心者が最短で中・上級者になるためのメソッドをこの1冊に詰め込みました。
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