「音階・スケール練習は重要」と言われます。
そこで、このような悩みを抱く人も多いのではないでしょうか?
- なんでそこまで音階・スケール練習を重要視するかわからない、意味やメリットを知りたい。
- 重要な練習だと言うなら、効果的な音階・スケール練習の方法を教えて欲しい。
私バージェスの、音階・スケール練習に対する考え方はこちら!
暗譜できるまで、騙されたと思って練習すべし
音階・スケール練習は、サックスを上達させるには、必須の練習です。その理由と、練習方法について、解説していきます。
音階・スケールを自由に演奏できるようになると、見える世界が変わります。大げさではなく、本当に変わります。
私自身、楽器を吹くときには必ず24調のスケール練習は必ず行います。
日々のスケール練習の意義や、練習メニューの改善に役立つヒントを知るきっかけになりますので、ぜひ最後までお読みください。
1.音階・スケール練習の意味・重要性
まずは、音階・スケール練習の意味・重要性と、練習することで得られるメリットを解説します。
特に、音階・スケールを暗譜することは、大きな意味やメリットがあります。
1-1.譜読みが速くなる
次の楽譜を読んでみてください。
これはできるぞ。
ミファ#ソ#シララド#シシミレ#ミシソ#ミファ#ソ#
あまーい。#4つの長調であることがわかるので、
ミファソシララドシシミレミシソミファソ
#・♭は都度読まない!
音階を暗譜までしていると、このように読むことができます。
音階を暗譜できていると、ほとんどの音で、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7通りから音を選ぶだけとなる
1つ1つの音で#・♭を考えるよりも、音符を読むスピードが圧倒的に速くなる。
1-2.楽譜を正確に演奏できる
音階・スケールを練習すると、楽譜をより深く読み解くことができます。
長調と短調
音階には、大きく分けて長調と短調があります。一般的な特徴は次の通りです。
- 長調→明るい・楽しい
- 短調→暗い・悲しい
それぞれの音階・スケールは決まった音の並びです。
音階・スケールを練習し、暗譜していくと、何調の音楽を演奏しているのかが、分かるようになってきます。
曲で使っている音や調号を見ると、何の調の曲が理解できる。
その調に見合うような、音色・発音で演奏できれば、表現力が一段と高いものとなる。
トニック・ドミナント
トニック・ドミナントは、音楽の緊張感を表す用語です。
音楽は、緊張と解放の繰り返しで出来ています。
それぞれの音に緊張と解放の機能があります。
- トニック(T)…落ち着き・開放感のある音
- ドミナント(D)…緊張感の高い音
- サブドミナント(S)…ドミナントの次に緊張感の高い音
それぞれどの音が緊張・解放の機能を持つのかは、次の通りです。
その音階の何番目の音かによって、トニック・ドミナント・サブドミナントの機能が決まります。
上記のとおり、同じ「ド」の音であっても、ハ長調ではⅠでトニック、ト長調では、Ⅳでサブドミナントとなります。
そのため、何の調で演奏しているかを把握していないと、トニック・ドミナント・サブドミナントを読み解くことはできません。
1番わかりやすいのは、フレーズの最後の音です。
最後の音がⅠの音の場合、落ち着いた形で終わります。
一方で、Ⅴの音で終わる場合、緊張感が解けないので、まだ先にフレーズがあることを意識して演奏しましょう。
楽譜を深く読んで演奏できると、自然な演奏ができる。逆に楽譜の読み込みができていないと、不自然な演奏になる。
聴く人が聴けば、変なところにアクセントのついた、“外国人が喋る日本語“のような不自然さを感じてしまう。
1-3.演奏が安定する
音階・スケール練習には、次の特徴もあります。
- 隣りの音との音域差が小さい
- 低音域から高音域まで、幅広い音域で練習できる
低音域・中音域・高音域で、鳴らしやすい奏法は大きく違います。
しかしスケールの場合、今演奏している音と次の音は隣り合っているので、同じ吹き方でも演奏しやすいです。
そして、「隣り合う音を同じ吹き方で吹く」練習を、広い音域で練習できることになります。
これらをまとめると、次のことが言えます。
「広い音域で、同じ息の使い方・同じ奏法で演奏する」練習ができる。
低音域・中音域・高音域を同じ奏法で演奏できると、レガートや音域差の幅が大きい譜面でも、綺麗に音をつなげることができます。
「全ての音域で、同じ息の使い方・同じ奏法で演奏する」ことの重要性は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
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2.音階・スケール練習の方法・ヒント
ここでは、音階・スケール練習をより効果的にするためのヒントを解説していきます。
2-1.幅広い音域を使う
音階・スケール練習では、高い音も低い音も幅広く使って、練習することが重要です。
曲ばかり演奏すると、最高音や最低音の近くの音まで出てこないケースが多々あります。
ときどき最高音や最低音に近い音が出てくると、
うわ!吹きにくい…
となってしまいます。
日頃の練習から、幅広い音域を使っていれば、このような心配はありません。
2-2.正しい運指で練習する
音階練習は、必ず正しい運指で練習するようにしてください。
理由は次の通りです。
- 効率の良い指づかいとなるため、速い曲に対応しやすい
- 正しい運指を使う癖をつける
正しい運指のヒントは、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
2-3.音階・スケール練習で使うべき教本は、Perfect Scale for Saxophone
音階・スケール練習のためのエチュード(教本)は数多くありますが、私はこちらをオススメしています。
kindleなど電子書籍化されてはいませんが、松下洋さんのHPからPDF版も購入可能です。
必ず「Vol.1 Basic」を購入してください。Vol.2からは、書かれている音階の難易度が一気に上がるプロ・音大生向けの教本です。
(但しVol.2は、フラジオ運指を学ぶ用途なら、購入する価値の高い本です。)
内容
1冊で長調・短調全ての調が、最高音から最低音まで学べます。
具体的な練習メニューは、次の通りです。
- 音階
- 3度練習
- 4度練習
- 分散和音
Perfect Scale for Saxophoneを推奨する理由
音階・スケール練習で使うべき、正しい運指が指定されているからです。
長調・短調全ての音階を、全音域にわたって練習できるエチュードであれば、どれを選んでも長く使えます。
しかし、正しい運指が逐一書かれているのは、「Perfect Scale for Saxophone Vol.1 Basic」だけです。
正しい運指で音階が吹ければ、曲であっても、効率の良い運指を選ぶことができます。
このPerfect Scale for Saxophoneが発売される前は、いくつかオススメのスケール教本はあったが、今はこれ一択。他の選択肢はあり得ないと言えるレベル。
私自身、別のスケール教本を使っていたが、今はこちらに買い替えた。
練習方法
初心者の方は、まずは通常の音階をゆっくりから練習しましょう。(各調で最初に書かれた練習のパターンです)
不慣れに感じても、必ず指定された運指で練習し続けること
このエチュードの順番通りに、進む必要はないです。
まずは色々な調で、通常の音階を吹けることを目標にします。
これだけでも日頃なかなか演奏しない、低音域・高音域を使うことになりますので、かなり効果的です。
テンポは問わないので、1息で吹ける調が増えたら、簡単な調の3度音程・分散和音に挑戦していきましょう。
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3.音階・スケール練習の考え方
前述した通り、音階練習にはさまざまなメリットがあります。
音階練習って地味だし、なんか楽しくないんだよなぁ…
こう思ってしまうのは、仕方のないことです。以前の私もそうでした。
しかし、プロ走者をはじめとして、上手い人は必ず、音階・スケール練習を重要視しています。
以前の私も、音階・スケール練習は大嫌いだった。
しかし上達したい一心で、騙されたと思って練習した。
音階・スケールはできるまでは、単調で苦しい練習かもしれません。
しかし、音階・スケールが吹けるようになると、劇的に演奏や、楽譜の見え方が変わります。
プロの演奏者が、「スケール練習を必ずやるように」と言うのは、この事実を知っているからです。
スケールが自在に吹けないうちは、この意味が分からないと思います。自分もそうでした。
ですので、皆さんも騙されたと思って、根気よく練習してください。
裏切られることは、絶対ありません。
できるようになれば、必ず皆さんも後輩などに指導する際に、スケールを練習するよう指導するはずです。
音楽・スケールが出来ない人ほど「音階練習に意味ある?」と言い、出来る人ほど「音階練習は大切だ」と言う。
音階がある程度出来るようにならないと、メリットを感じられないのが理由。
まずは騙されたと思ってで良い、愚直に音階練習をやり続けるのが大切。
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まとめ
音階・スケール練習の要点は、次の通りです。
- 音階・スケール練習のメリットはかなりあるので、騙されたと思って、暗譜できるまで練習する
- 正しい運指での練習が必須、Perfect Scale for Saxophone Vol.1 Basicを使用する
焦らなくて大丈夫なので、ゆっくりから丁寧に練習していってください。
具体的に練習すべきスケールの課題をまとめましたので、ぜひこちらもお読みください。他のスケールの教本ではあまり見られない、リズム練習についても解説しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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