サックス奏法

サックスの構え方・姿勢を見直す

  • 楽器を演奏するときに、力んでしまう
  • 楽器を演奏すると、すぐに疲れてしまう・身体が痛くなる箇所がある

この悩みは、サックスを演奏するときの「構え方・姿勢」を直すと、改善されることが多いです。

バージェス

構え方や姿勢は軽視されるけど、見直すことで音色やテクニックまで向上する可能性がある。

変な癖がつく前に、構え方・姿勢について学んでほしい。

ここでは、サックスの構え方・姿勢でありがちな問題点を中心に解説をしていきます。

この記事を読んでほしい方
  • サックスを演奏すると、力んでしまう・すぐ疲れてしまう・身体に痛みが出る
  • 息が上手く入らない
  • 高音域の速い指回しが苦手

私バージェスの、楽器の構え方・姿勢に対する考えはこちら!

結論

身体を楽器に近づけない・楽器を身体に近づける

なるべく脱力した状態を作る

サックスを吹くときの構え方・姿勢を直すと、より効率よく身体を使えるようになります。

効率よく身体が使えれば、息の入りが良くなり音色が、力が抜けることでテクニックが向上していきます。

初心者の方も、楽器をある程度演奏できる方も、ぜひ最後までお読みください。

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1.身体がリラックスした状態を確認

サックスを演奏することは、歯磨きなどと違い非日常的な行為です。ですので、慣れないうちは力んでしまうのは当然です。

1分でできますので、まずは楽器を持たずに、リラックスした身体の状態を確認します。

1-1.立ったときの状態

次の手順で行います。

  1. 足は肩幅くらい開き、脱力して立ちます。
  2. 軽く背筋を伸ばします。(力が入るほど、ピシッと伸ばす必要はありません。)

背筋を伸ばすと姿勢よく見えますが、背中を反ってしまうと力みに繋がります。

このとき、肩は上がったりせず楽な状態になっているはずです。楽器を持つと肩に力が入りがちなので、この肩の脱力状態を目指しましょう。

また、サックスを演奏するときも脱力し、身体を固定しないように注意しましょう。脱力状態ができていれば、演奏しながら自然な身体の動きができるようになります。

1-2.座ったときの状態

次の手順で行います。基本は立ったときと同じです。

  1. 椅子に浅く腰掛けます。
  2. 足は肩幅くらい開きます。
  3. 軽く背筋を伸ばします。(力が入るほど、ピシッと伸ばす必要はありません。)

浅く座ること、がポイントです。

1-3.ストラップの力を借りる

どんなストラップでも楽器は演奏できますが、楽器の重さを分散する良いストラップを選ぶと、より脱力がしやすくなります。

良いストラップはたくさん出ていますが、私は「ブレステイキング」をオススメしています。(私自身も愛用しています。)

ブレステイキングに、こちらのラップリフトを組み合わせると、さらに楽器の重さが分散されます。

バージェス

割高に感じるかもしれないが、長きにわたって使えるので、コスパは悪くない。(私自身も10年近く使用していますが、全く問題ありません)

何より体の負担が軽減することで、長く演奏できることになるのは、お金には代えられません。

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2.楽器を構える

リラックスした身体の状態のまま、楽器を構えます。

2-1.ストラップとマウスピースで調整する

実際に楽器を構えるときには、ストラップの長さとマウスピースの角度を調整します。

ここで重要なポイントがあります。

顔の位置はまっすぐにする。(下を向かない。横を向いても引っかからず、スムーズに動かせる位置)

サックスを自分の身体の方に持ってくる

身体を楽器に近づけないで、楽器を身体に近づけるということです。

また、頭の位置には注意をしてください。まっすぐ向くと足の裏で脳の重さを支えますが、下を向くと背中で支えることになり、力みのもとです。

脳は5kgほどあり、自分が思っているよりもかなり重たいので、影響が大きいです。

目線の位置によって、首の角度が変わることがあります。譜面台の高さや角度にも注意してみてください。

マウスピースめがけて、顔の位置を変えたり、背筋を曲げたりする。

身体を動かして、楽器に近づいてしまっているので、これは悪い例です。

顔の位置を動かさない。

口とマウスピースが触れるように、ストラップの長さと、マウスピースの角度を調整する。

ストラップの長さやマウスピースの角度を調整することで、楽器を動かし、口に近づけます。

ストラップの長さとマウスピースの角度で調整を行い、ネックでは行いません。

ネックの角度を調整してしまうと、第二オクターブキーの開きが変わってしまうからです。

ただし、バリトンサックスはネックにオクターブキーがついていないので、ネックの角度を使って調整してもOKです。

2-2.楽器の支えはストラップ(×右手親指)

楽器はストラップで支えます。ストラップの種類によって、首や肩など、支える場所が変わります。

楽器は、右手親指では支えない・持ち上げない

右手親指にタコができてしまうのは、楽器の支え方を間違えて認識しています。

2-3.(座奏の場合)身体の前で構える・横で構える

サックスを座って演奏する場合、身体の前で構えるか・横で構えるかの2通りがあります。

ソプラノ
アルト
テナー△※
バリトン
※テナーを前で構える方はほとんどいません。

アルトサックスの場合、前で構えるか・横で構えるか、人によって違います。

身体が小さい方は、前で構えるのが楽です。どちらが良い・悪いと言うことはありません。

より力が入らない方を選ぶようにしてください。

前で構える場合

前で構える場合、立奏の感覚に近く、演奏しやすいです。

バージェス

前で構えるか・横で構えるか悩んでいる人は、前で構えることをオススメしている。

細かい注意点としては、アルトサックスを前で構えた場合、下と真ん中のミ♭の音程が低くなりやすいことです。

E♭キーを押すと開く場所が、太ももに近い位置にきてしまうためです。太ももで、開いた穴を少し塞いでしまうような形になります。

※キー名称がわからない場合、こちらをクリック→サックスのキー名称

横で構える場合の注意点

テナー・バリトンサックスも含めて、横で構えるときのポイントはこちらです。

腰を動かさない・身体をひねらない

身体をひねってしまうと、息の通りが悪くなり、身体も痛めやすいです。

身体のひねりまで考えなければならないので、横で構えるのは、前で構えるより若干難しいです。

2-4.キーは指の腹の先で押す

楽器のキーは、「指の腹」の指先に近い方で押します。

キーを「指先」で押さえる。

キーを指先で押してしまうと、手首が外側を向いて、力が入った状態になってしまいます。

指を速く動かすには、脱力が最重要です。少しでも楽に指を動かせる位置がベストです。

指の腹であっても、手のひら・第1関節に近い方でキーを押さえてしまうと、指の第2関節がまっすぐに近い状態となってしまい、指が動かしにくくなります。

指の腹の先で押さえると、第2関節が適度に曲がり、指が回しやすいです。

2-5.左手首は外転しない

注目されませんが、高音域をスムーズに演奏するには、左手首の角度に気をつける必要があります。

手首には、次のように内転と外転と呼ばれる動きがあります。

手首の内転・外転
実際にやってみよう

左の手のひらをテーブルに乗せ、手首を内転・外転させて、指を動かしてみてください。

結果は次のようになります。

結果

外転→指が動かしにくい

内転→指が動かしやすい

左手パームキーをおさえるときに、手首が外転していないか注意してみてください。

パームキーの上から、手をかぶせるようになっていると、外転している可能性があります。

外転状態になっていると、指は動かしにくいです。ピアニストも手首が外転状態にならないよう注意しています。

ちなみに右手首は、サムフック(親指をかける場所)で固定されるので、手首の外転の動きは使いません。

手首を外転させない。

2-6.左手親指で楽器を押さない

左手親指はサムレストに触れる程度にしておきます。

左手親指で楽器を押してしまったり、体重をかけてしまったりすると、僅かですが力みが入り、指回しがしにくくなります。

微妙な差なので、気にならないことが多いですが、難しい曲をやるときに影響が出ます。

2-7.ソプラノサックスの角度

ソプラノサックスの角度を決めるヒントは、ネックにあります。

ストレートでもカーブドでも、本体から外し、ネックまでで音を出してみましょう。

マウスピースを差し込む角度を変え、1番良い音がする角度を探す。

探し当てた角度で演奏できるよう、ストラップの長さを調節します。

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3.構え方・姿勢を見直す意義

構え方や姿勢を見直す意義は、サックスを演奏しているときに、より「脱力」するためです。

脱力して演奏することは、様々なメリットがあります。

脱力の重要性については、こちらの記事でも解説していますので、ぜひお読みください。

>楽器演奏・サックスが上達するために、見落としがちな1番大切なこと

まとめ

演奏に大きな影響を与える、姿勢・構え方について、レッスンの現場で指摘していることを中心にまとめさせていただきました。

今回の要点
  • 普通に立った時・座った時と同じように脱力する
  • ストラップの長さとマウスピースの角度で、マウスピースを口元に
  • 手首の外転を避ける
  • 左手で楽器を押さない

皆さんの姿勢や構え方を見直す、ヒントになれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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