- サックスを購入したいが、どのように選べばよいのかわからない
- 高い買い物なので、専門家の意見が聞きたい
実は楽器店は、演奏者側ではなく、売れると楽器店にとってメリットが高い楽器を前面に押し出して営業してくることがあります。
なぜなら楽器店は、売れ筋が悪く長期で在庫として抱えてしまった楽器を優先して売りたいと考えるからです。
知識がないと、言われたがまま楽器を購入し、後悔してしまう危険性もあります。
この記事ではどのメーカーのサックスを買うべきか、サックスを買う際の注意点をまとめています。
国際コンクール上位入賞の実績のある私が考える、サックス購入のポイントをお伝えします。また私自身、今までサックスを7本購入してきています。
この記事を読むと、楽器店に騙されない最低限の知識を身につけることができ、後悔のないサックス購入ができます。ぜひ最後までお読みください。
・御三家(セルマー・ヤマハ・ヤナギサワ)の中から選ぶ
・中古も選択肢、新品を買うなら選定品を
・マウスピースとリード選びはより重要
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1.おすすめのモデルは御三家(セルマー・ヤマハ・ヤナギサワ)
結論から言えば、「セルマー」「ヤマハ」「ヤナギサワ」のどれかを購入してください。
この3社は歴史も古く、高品質なサックスを制作しており、「御三家」とも呼ばれています。
他にもいくつもメーカーはありますが、そのメーカーが良いというようなこだわりがない限りは選ぶ必要がないと思います。
つまり、楽器選びに悩んでここで情報収集をしている方は、これから紹介する御三家から選べば間違いありません。
1-1.セルマー
サックスの中で最も歴史が古く、老舗のメーカーがフランスの「ヘンリ・セルマー社」です。
多くのメーカーがセルマーから学びながら、サックスを製造してきた歴史があります。
魅力的な音色から多くの演奏家から愛用されていて、世界一のサックスメーカーと言っても過言はないでしょう。
ただし近年では、高価格化が急速に進んでおり、手に入れにくくなりました。
予算が潤沢なら別ですが、そうではない場合、他のメーカーと比較しどうしてもセルマーが演奏したくなったら、購入を検討してみてください。
他のメーカーの楽器を購入したが、どうしても憧れが捨てきれずセルマーに買い替える人をときどき見かけます。
そうなるなら最初からセルマーを購入した方が割安とも言えます。
1-2.ヤマハ
近年サックス界で勢力を伸ばしているのが「ヤマハ」です。言わずと知れた日本の巨大メーカーですね。
人口こそセルマーにはかないませんが、サックス界の大御所である須川展也さん、人気No.1の上野耕平さん、国際コンクールで世界一を獲得した齊藤健太さんなど、ビッグネームが愛用しています。
ヤマハの特徴は正確な音程感と、手の小さい人にも扱いやすい操作性です。
安価なモデルからプロ仕様のモデルまで、幅広くラインナップがあることも強みとなっています。
1-3.ヤナギサワ
一部のファンにコアな人気があるのが「ヤナギサワ」です。こちらもヤマハ同様、日本のメーカーとなります。
操作性の良さ・安価なモデルからプロ仕様まであるのはヤマハと同様です。
ヤナギサワの大きな特徴は管体が「ブロンズ」や「シルバー」などから選ぶことができる点です。(他メーカーだと基本は特注扱いとなります。)
管体の素材が変われば、音の響き方も変わります。
特にヤナギサワのソプラノサックス・バリトンサックスは、操作性の良さや音色感が評価が高いです。
セルマーの最高傑作ともいえるMark6モデルの設計を今でも受け継いでいるため、と聞いています。
他のメーカーの楽器を愛用しつつも、ソプラノ・バリトンだけはヤナギサワ、という方も珍しくはありません。
1-4.(番外編)クランポン Senzoアルトサックス
フランスの木管楽器メーカーの老舗、ビュッフェ・クランポン社が出している「Senzo」というアルトサックスも、御三家に劣らない高品質なモデルなので番外編としてご紹介します。
※Senzoはアルトのみで、ソプラノ・テナー・バリトンは販売されていません。
クランポン社はクラリネットで世界一のメーカーと言われますが、過去にサックスを製造しており、Senzoはその復刻モデルとなります。
非常に美しい管体、柔らかい響きが特徴です。サックス界の巨匠である雲井雅人さんも使用しています。
良い楽器であることは間違いないのですが、あえて番外編としたのは次の2つが理由です。
- 演奏するのが初心者には若干難しい
- クラシックに特化した楽器なので、複数ジャンルの演奏には不向き
特殊な設計をしていることから、万人向けとは言い難いです。ですが刺さる人には本当に愛される楽器なので、試奏してみて良さそうであれば、後悔することはまずないと思います。
昔吹いた印象ですが、音を当てるツボが他のサックスよりも狭く感じたので、初心者には若干難しいかも、と思いました。
ですがサックス自体が他の楽器と比較してツボが広すぎるとも思いますし、何よりツボに当たった音は極上です。
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2.選定品を探す
自分に合った楽器の目星がついたからといって、すぐに購入してはいけません。
新品の楽器を購入する場合、必ず「プロの演奏家の選定品」が販売されていないか探してみましょう。
同じメーカー・同じ型番であっても、楽器の個性は1本1本微妙に異なります。
選定品は数本~十数本の同じ型の楽器をプロが吹いて、良い品質であるものを証明された楽器となります。
楽器は繊細なので、現代の技術でもどうしても個体差が発生してしまいます。
せっかく高額な楽器を購入するなら、より良い1本を探せるよう全力を尽くしましょう!
選定品がない場合でも、楽器店に相談すればプロの演奏家が選定してくれることもあります。
3.中古楽器を検討する
新品にこだわりがないのであれば、中古で楽器を購入することも選択肢に入れてみてください。
人それぞれ好みはありますが、価格帯が高いモデルの方が高性能の楽器であることが一般的です。
同じ金額を出しても、中古であればワンランク上のモデルを購入できる可能性があります。
私自身はソプラノからバリトンまで、4本とも全て中古で統一しています。
購入した後により良い中古が出ることもありましたが、それを言ったらずっと購入できないので、後悔することはありませんでした。
中古楽器は「運」「縁」「タイミング」に左右されます。100点満点はありえないと思うくらいでちょうどいいかもしれません。
待ち続けるとなかなか買えないのが中古楽器です。散財は推奨しませんが、買った後に楽しむ未来をいつまでも迎えられない、という機会損失も考えておきましょう。
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4.実は楽器本体よりも大切なマウスピース・リード
ここまで楽器購入に関して解説してきましたが、実は楽器本体よりも重要なのが「マウスピース」「リード」です。
楽器は口元に近い部品の方が、与える影響が大きいです。
極端に言えば、楽器は壊れてさえいなければ何とかなります。
ですがマウスピース・リードが粗悪なものだとお手上げです。
4-1.マウスピース
マウスピースも楽器と同様、同じメーカー・同じ型番であっても個体差があります。
マウスピースの個体差は楽器よりもはるかに大きく、良いモデルであっても、粗悪なマウスピースにあふれている。
マウスピースにもプロの奏者の選定品はあります。大型楽器店やインターネットで販売していますので、楽器に付属した者でなく、新たに購入するのをおすすめします。
マウスピースの選定品を取り扱っている大型楽器店であれば、楽器購入とタイミングを合わせれば無料・もしくは格安で購入できる可能性もあるので、交渉してみてください。
「どのマウスピースの型番が良いのかわからない」という方は、私が使用してきたマウスピースの紹介記事がありますので、こちらを参考にしてください。
>セルマーのマウスピース比較・違い〜S80・S90・コンセプト~吹奏楽の定番
4-2.リード
リードも個体差があります。葦のリードは1箱買えば複数枚入っていますので、良いリードを選ぶようにしてください。
リードの選び方はこちらの記事を参考にしてください。
>サックスのリードの選び方〜新品を買う→使い始めまでの正しい行程
迷う方はこちらの「バンドレン トラディショナル」(通称:青箱)の3番がおすすめです。
どんなジャンルにも対応でき、万人向けです。
選定品リード販売のお知らせ
リードは選定品がありませんが、このサイトでは選定品の樹脂リードも販売しています。
大好評をいただいており、注文に追い付いていませんが、順次入荷していくのでこちらのリンクを参考にしてください。
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5.その他必要な付属品
サックスを購入しただけでは足りない付属品の紹介をします。
特に中古楽器を購入する場合、本体・ネック・ケース以外は付属していないことが多いので、ぜひ参考にしてください。
もちろん新品で楽器を購入した場合であっても、準備しておいた方がよいものを紹介しています。
>【プロが厳選】サックス奏者が揃えるべき道具・メンテナンス用品のオススメ完全解説
まとめ
サックス購入のポイントはこちらです。
- こだわりがなければ御三家(セルマー・ヤマハ・ヤナギサワ)の中から選ぶ
- 新品であれば選定品を探す
- 中古楽器も選択肢の1つ
- 楽器本体よりもマウスピースとリードが重要
楽器屋さんが売りたい楽器ではなく、本当に納得できる1本を選んで、より良いサックスライフを送ってもらえると嬉しいです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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