サックス奏法

サックスのビブラートの基本〜かけ方・やり方と4つの練習方法

美しいビブラートを使って演奏するには、サックスのビブラートの仕組みと効果的な練習方法を理解する必要があります。

そこで今回は、サックスのビブラートに関する基本的な事項と練習方法に特化して解説していきます。

練習用の楽譜と演奏例も公開していますので、ぜひ最後までお読みください。

また、サックスのビブラート全般に関しては、こちらの記事に詳しくまとめています。こちらの記事では応用的な内容も取り扱っています。

>サックスのビブラート~かけ方の基礎・上級テク・練習の盲点まで完全解説

この記事を読んでほしい方
  • ビブラートのかけ方を知りたい。
  • ビブラートを綺麗にかけるには、どんな練習方法がいいのか知りたい。

私バージェスが考える、ビブラートのかけ方・練習方法はこちら!

結論

サックスのビブラートは顎(あご)でかけて、音程を上下させる

ビブラートの「速さ」・「大きさ」・「高さ」をコントロールできるように練習する

ビブラートの導入から、音楽的に美しいビブラートをかけるという、ゴールに向かうための基礎を解説していきます。

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1.サックスのビブラートのかけ方・仕組み

サックスのビブラートは「顎(あご)」でかけます。

サックスを吹きながら、「ワウワウワウワウ」と顎を動かすと、音に波ができます。

このとき動かすのは、下顎のみ。(上の歯は動かさないように注意する)

これは、アンブシュアを動かすことで音程が微妙に変化しているためです。

  • 「ワ」…口を開く動き。口の中が広くなり、音程が下がる。
  • 「ウ」…口を閉じる動き。口の中が狭くなり、音程が上がる。

下にあるように、 標準音程(理想はチューナー真ん中付近)に対して、 音程を上下させるイメージです。

サックスのビブラートの仕組み




実際にやってみよう

まずは、自分の吹きやすい音を伸ばしながら、「ワウワウ」と顎を動かしてみましょう。

この段階で音が切れることなく、波が作れて(音程が上下して)いればOKです。これがサックスのビブラートです。

音程が上下しているかは、チューナーを見ながら確認します。

上手くいかない人は、「ワウワウ」の口の開く・閉じる動きを、大きくしたり、小さくしたりして、波はかかるけど、音は切れない場所を探してみましょう。

  • 波がかからない場合…「ワウワウ」の動きを大きくしてみる
  • 音が切れてしまう場合…「ワウワウ」の動きを小さくしてみる

それでも上手くいかない場合は、マウスピースをくわえる深さを変えて試してみましょう。

上手く波がかからない人は、浅くくわえると、上手くいくことがあります。

サックスのアンブシュアに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

>【完全解説】サックスのアンブシュア〜クラシック・吹奏楽奏者向け

ビブラートを「息」「喉(のど)」「お腹」でかけるという方もいます。

これはフルートやオーボエのビブラート奏法です。

確かにサックスでも、これら顎以外の要素で、ビブラートをかけることはできます。

しかし、これらはサックスの一般的な奏法ではありません。

基礎の段階では、これから解説する顎のビブラートを練習していってください。

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2.良いビブラートとは?

実際に曲を演奏するとき、「ビブラートをかけるか」「ビブラートをかけないか」の2択にはなりません。

もちろんビブラートをかけるかどうかも考えますが、「どのようなビブラートをかけるか」を考えます。

「どのようなビブラートをかけるか」は、次の3つの要素から考えます。

①〜③を組み合わせることで、無数のバリエーションができます。

この無数のバリエーションから、音楽的にふさわしいビブラートを選び取る必要があります。

音楽的にふさわしいビブラートの選び方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

>サックスのビブラート〜表情豊かな演奏にするためのかけ方とコツ

美しいビブラートの前提として、「美しい音が大切」です。

どうしてもビブラートというテクニックは華やかで、目立ちます。

しかし、日々の地道なロングトーンなどで、音作りをすること。これが、美しいビブラートにも繋がることを忘れないでください。

ビブラートは「速さ」「大きさ」「高さ」をコントロールできるような練習が必要

ビブラートよりも、素の音色が大切

バージェス

「ビブラートは、ステーキにかけるスパイスのようなもの」だと考えてほしい。

ビーフステーキのイラスト

どれだけ最高級のスパイス(ビブラート)を使っても、肝心な肉(音)がイマイチだと、美味しいステーキにはならない。

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3.ビブラートの練習方法

ビブラートの「速さ」「大きさ」「高さ」をコントロールする、具体的な練習方法を解説します。

全ての練習方法で、次のことを意識してください。

ビブラートでは、「ワウワウ」と顎を動かすことで、いつものアンブシュアとは微妙に変わります。

特に「ウ」で口を閉じる動きは、リードの振動を妨げるので、多めに息を入れます。

(「ウ」のときにだけ息を多く入れるのではなく、全体的に普段の演奏よりも多めに息を入れましょう)

また、低音域・高音域のビブラートは難しいので、まずは中音域で波をかけるイメージを掴みましょう。

3-1.速さをコントロールする練習

まずはビブラートの速さをコントロールする練習です。

練習①

次のリズムで顎を動かします。息はまっすぐ入れます。

自分ができるテンポから始めてOKです、♩=80くらいまでできれば十分です。

必ずメトロノームを鳴らしながら練習してください。

一息で吹けない場合、途中でブレスをとってください。

ビブラート基礎練習
↑【演奏例】テンポ72で演奏しています。

「ワウ」という、「口を開く→口を閉じる→元の口に戻す」という一連の動きを書かれたリズムで行います。

この練習では、波の大きさが均等になるように意識しましょう。

ビブラート練習を始めたばかりでは、波が大きくなり過ぎてしまいがち。

波がかかるようになったら、小さい波(小さな顎の動き)でキープすることを意識。

サックスのビブラートの目安は、♩=72の16分音符とされます。

厳密にこの速さを守る必要はありませんが、 ♩=72 のテンポ感をある程度覚えておくようにしましょう。♩=72 よりかなり速い or かなり遅いビブラートを使うことはないためです。

♩=72のテンポでビブラートをかけるというのは、マルセル=ミュール先生が提唱した考え方です。ミュール先生は、サックスのビブラートを開発し、サックスの神様と呼ばれる方です。

バージェス

♩=72はあくまで目安で、絶対的なものではないので注意。

実際には、♩= 72よりも速いテンポも遅いテンポも使います。

3-2.大きさをコントロールする練習

一定の速さでビブラートがかかるようになったら、次は波の大きさをコントロールする練習をします。

楽譜に書いたff・pp・クレッシェンド・デクレッシェンドは波の大きさを表します。

練習②-1

大きくビブラートをかける

ビブラート練習 ff

音が破綻しないように注意して練習します。

↑練習②-1 演奏例
練習②-2

できるだけ小さくビブラートをかける

ビブラート練習 pp

ビブラートの波が無くならないよう注意します。

↑練習②-2 演奏例
練習②-3

波を徐々に大きくしていった後、小さくしていく

ビブラート練習 cresc.→dim.
↑練習②-3 演奏例
練習②-4

波を徐々に小さくしていった後、大きくしていく

ビブラート練習 dim.→cresc.
↑練習②-4 演奏例

3-3.ビブラートをつなぐ練習

ビブラートの速さや大きさをコントロールできるようになったら、次は音をつなぐ練習に入ります。

音が変わると、吹いているときの抵抗感が変わるので、ビブラートを均一に維持することが難しくなります。

息・アンブシュア・ビブラートは一定のまま、指だけ動かす

楽譜例は参考です。色々なパターンで練習してみましょう。

練習③-1

ビブラートをかける長い音同士をつなぐパターン例

ビブラート レガート練習1
練習③-1
練習③-1 演奏例
練習③-2

ビブラートをかけない短い音から、ビブラートをかける長い音につなぐパターン例

ビブラート レガート練習2
練習③-2

ビブラートの始まりが、アクセントのようにならないように意識します。

【演奏例】

練習③-2 演奏例

3-4.高さをコントロールする練習(応用)

最後に高さをコントロールする練習です。

これは難易度が高いので、最初の段階では行う必要はありません。

曲で普通にビブラートを使えるようになって、さらに1ランク上の音楽表現がしたくなった方向けです。

練習④

普段練習している曲を使用します。

  • 高い音程を作る→「ワウワウ」の「ワ」の口の動きをやり過ぎず、「ウ」の口を少し大きめに作る。
  • 低い音程を作る→「ワウワウ」の「ワ」の口を少し大きめに作り、「ウ」の口をやり過ぎない

3-5.ビブラート練習の教本

ビブラートだけに特化した練習が掲載されている教本は、おそらくこの1冊です。

メインは音階練習の教本ですが、ビブラートの奏法についても解説があります。

特にビブラートを学び始めた初心者にとっては、効果的な練習方法が掲載されています。

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4.いつからビブラートの練習を開始する?

サックスパートの先輩

普通の奏法が安定するまで、ビブラートの練習を始めてはダメ

確かにこの考えには一理あります。

ビブラートは、わざとアンブシュアを動かして、音に波を作る奏法です。

アンブシュアが安定しないのに、「アンブシュアを動かす」という応用的なことをやるのは良くありません。

では何をもって「安定」とするのか。

「音がまっすぐ伸びること」

です。音がまっすぐ伸びたら、ビブラートの練習を開始してOKです。

もちろん、「アンブシュアをもっと安定させてからビブラートに取り組みたい」という希望があればそれもOKです。

バージェス

「音がまっすぐ伸びる」条件がクリアできていて、ビブラートにチャレンジしたいなら、なるべく早くビブラートの練習を始めてほしい。

憧れのテクニックなら、「好きこそ物の上手なれ」ということで、どんどん上達していけるはず!

まとめ

サックスのビブラートのかけ方と、基本的な練習方法について解説してきました。

今回の要点
  • サックスのビブラートは、顎で音程を上下させる
  • ビブラートの「速さ」・「大きさ」・「高さ」をコントロールできるように練習する
  • ビブラートよりも、素の音色が大切
  • ビブラート練習は、音がまっすぐ伸ばせるようになってから

今回解説した練習をしてもらえば、色々な種類のビブラートをかける土台は完成したと言えます。

基礎~応用的な内容まで、ビブラート全般はこちらで解説しています。

>サックスのビブラート~かけ方の基礎・上級テク・練習の盲点まで完全解説

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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