エチュード・教本

【サックス教本 ラクール】練習方法のヒント解説シリーズ~1曲目

サックス教本の代表であるラクールの練習方法を、1曲ごとに解説します。

ここでは、第1曲目を解説します。演奏例は、こちらで公開しています。

ラクールには本来、ピアノ伴奏はありません。

しかし、サックスのような単音楽器(1度に音が1つしか出せない楽器)であっても、和声の流れを意識して演奏することは大切です。

今回使用したラクールのピアノ伴奏は、作曲家の柳川 瑞季さんが作曲・演奏したものを提供いただきました。

私自身、ラクールは50曲全てを学習しました。

また、ラクールに関しては独学でも、レッスンを受けたことも、レッスンをしたこともあり経験豊富です。

私自身がつまづいた点、レッスンする際に重視している点を中心にまとめました。ぜひ、最後までお読みください。

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全体を通じて

演奏全体の注意点を解説します。

この練習曲のテーマ、習得すべき技術とも言えますので、特に意識して練習しましょう。

音量

最大音量はfですので、mfも大きめになるように、構成を考えましょう。(ffは出てこない)

また、1小節かけてクレッシェンド、次の小節でデクレッシェンドのパターン(3・4小節目など)は、過度に音量は変化させません。

あくまでmpの中で音量を変化させます。

バージェス

音量変化も含め、自然に音楽が流れるように意識しよう。

クレッシェンド・デクレッシェンドは大きくかけるほど良い、というわけではない。

ヴィブラート

ヴィブラートがかけられるのであれば、積極的にかけましょう。

全ての2分音符にかけてもOKです。

ビブラートをかける場合、全て同じヴィブラートとならないよう(1種類のビブラートだけ使うことのない)よう注意。

音量や音の高さによって、色々な種類のビブラートを使います。

ビブラートのバリエーションのヒントについては、こちらで解説しています。難易度は高いかもしれませんが、是非お読みください。

>サックスのビブラート〜表情豊かな演奏にするためのかけ方とコツ

個別のポイント

各小節やフレーズごとの個別の注意を解説します。

6小節目(38小節目)

頭拍にある、下の「ソ」の音がポイントです。

2つ目のフレーズ(5〜8小節目)で登場する音のうち、1番出しにくい音になります。

アタック(音の入り)が強くなり過ぎないように注意しましょう。

この音だけ吹き方を変えてしまうと、メロディが繋がらなくなってしまう。

この「ソ」の音を綺麗に出せる吹き方を探して、他の音も同じように演奏しましょう。

45小節目も同様です。

8小節目(39小節目)

サックス吹きにとって厄介な「真ん中のレ」です。

全ての箇所で「真ん中のレ」の音程に注意してほしいですが、この部分は音程が上がりすぎないように注意しましょう。理由は次の2つです。

  1. フレーズ終わりは、落ち着いた雰囲気を出したい
  2. 音が下行していくメロディの音

フレーズ終わりは、落ち着いた感じを出したいところですが、音程が下がりきっていないと、落ち着いた雰囲気が出ません。

また、音が下がっているのに、後ろの音の音程が上がってしまうと、前の音との音程差が狭くなってしまいます。

音程差が狭いと、音痴に聴こえやすいので注意が必要です。

厄介な「真ん中のレ」の音程については、次の記事で対処法を解説しています。是非お読みください。

>サックスの音程・ピッチ練習~真ん中のレとミの練習方法

15・16小節目

15小節目、1拍目の高いドの音が大きくなってしまいがちですが、1番大きい音は16小節目のソの音です。

ソの音は、クレッシェンドの出口、fで演奏します。

このfの音は減衰しないで、拍いっぱいまで伸ばし切りましょう。

こうすることで、よりfを強調できますし、17小節目のpとの対比が活きます。

17小節目

ここから転調し、ト長調になります。

強弱記号もいきなりpとなりますので、雰囲気をガラッと変えられるよう意識しましょう。

転調のタイミングで、曲の雰囲気を変えることは、どんな曲であっても大切です。

20・29小節目

音量記号はmfですが、この曲の中では大きい方です。(最大音量がfで、曲全体でも1度しか登場しない)

大きく聴こえさせる方法は、音量を大きくする以外に、次のような方法もあります。

  • 音の出だしをはっきり入る
  • 音を硬めにする
  • ビブラートを深くかける

ラクール全般の練習方法や次の曲に進むべきタイミングなどについては、こちらの記事で解説しています。合わせて参考にしてください。

>サックス教本・エチュード~ラクールの練習方法と得られる効果

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